ブックタイトル小児の訪問診療も始めるための31のポイント

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概要

小児の訪問診療も始めるための31のポイント

94ばある.鼻マスク,鼻口マスクそれぞれ利点欠点があるが,どのようなマスクを選択するにせよ,はじめはごく短時間(数分でも可)マスクをあてて,マスク装着に慣れてきたら徐々に装着時間を長くするのがコツである.どうしても鼻マスクや鼻口マスクを嫌がる場合,nasal high flow 用の鼻カニューレ(図11-1)や小児用のトータルフェイスマスク(図11-2)を試してみるのがよい.このタイプのマスクで初めて長時間の装着が可能になった症例を経験している.NPPV 本体は各社から新製品が次々に発売されていて,差別化のため種々の新機能が搭載されている.閉塞性無呼吸を検知して呼気時気道陽圧expiratory positive airway pressure(EPAP)を増減する機能(オートEPAP),一定の1 回換気量を維持するため吸気時気道陽圧inspiratorypositive airway pressure(IPAP)を増減する機能(AVAPSR),チェーンストークス呼吸を検知して呼吸回数を増減する機能(adaptive servoventilation ないしオート呼吸数),呼気が吐きやすいように気道内圧を減少させる機能(Bi-flex)などが代表的なものであるが,小児での有効性はエビデンスに基づいたものではないので,あまり注意を払わなくてもよい.NPPV の設定は,基本的には閉塞性無呼吸にはCPAP モード,中枢性図11-1 Nasal High Flow 付属の鼻カニューレ(パシフィックメディコより入手可能)図11-2 小児用トータルフェイスマスクPerfomaxR(フィリップスより入手可能)