ブックタイトルここに気をつける!誘発電位ナビ
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ここに気をつける!誘発電位ナビ
48第Ⅱ部.誘発電位各論 ABR を発見したJewett には,切羽詰まった状況がありました(JewettDL: A Janus-eyed look at the history of the auditory brainstem responseas I know it. Electromyogr Clin Neurophysiol, 34:41-48,1994).その当時,彼はカリフォルア大学サンフランシスコ校(UCSF)の生理学教室に在籍していましたが,研究プロジェクトがうまくいかず,テニュアを取るために急いで論文を作成する必要がありました.そういう状況でABR を世に送り出しました.しかしながら,NIH のグラントを取ることができず,結果的に生理学教室を去らなければなくなりました.リハビリ医なら今までの神経生理学的研究が脊損損傷の研究に役立つと考えたのですが,UCSF にはポスドクのトレーニングコースがありませんでした.幸い,リサーチマインドをもった研究者を探していた整形外科に移籍することができました.整形外科の主任教授は,「我々は科学者を整形外科医としてトレーニングすることはできるが,整形外科医を科学者に育てることはできない」という考えがあり,以後,彼は整形外科医とABR 研究の二足のわらじを履くことになりました.ミニコラム 6 研究医と臨床医の二足のわらじ・ ABR は他覚的聴力検査であるが,純音聴力検査の代替とはならない.・ ABR は脳幹聴覚路の機能,脳死の判定,脳幹手術のモニタリングに有用である.ここに気をつけるポイント!