ブックタイトルここに気をつける!誘発電位ナビ
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ここに気をつける!誘発電位ナビ
105第1 章.聴覚系を究める張により,不幸にも臨床診断法として注目を浴びることがありませんでした.しかし,記録法の工夫により,神経原性の反応であるという認識が一般的になりました.また,ABR の後方成分であることから,脳幹より上位の聴覚路の機能を知るための手段として,70 年代後半より臨床応用されるようになってきました6,7).しかしながら,現時点においてもABR ほどは広く普及していません8).筆者らの研究では,平衡型頭部外基準を用いてPAR を除去し,神経原性のMLR 成分を安定して記録することができました.しかし,その異常の頻度は高くなく,びまん性脳障害におけるV-Na 伝導時間の感度も,SEP のN13-N20 に比べて異常の頻度は高くありませんでした.【論文の要約】筋強直性ジストロフィー症myotonic dystrophy(MyD)の中枢Arakawa K, Tomi H, Tobimatsu S, Kira J-Ⅰ: Middle latency auditory-evokedpotentials in myotonic dystrophy: Relation to the size of the CTG trinucleotiderepeat and intelligent quotient. J Neurol Sci, 207: 31-36, 20039).図Ⅲ-1-1 正常対照(19 歳,女)のMLR左は頭部外基準電極によるMLR 反応でV 波,Na,Pa 成分が記録されます.一方,右は両耳朶連結を基準にしたもので,PAR が混入するため,波形の同定が困難です.PAR が大きいため,振幅の校正信号も5 倍大きくなっていることに注意してください.Bin Stim:両耳同時刺激(文献1)より)0 50 ms 0 50 ms++? ?2 μV2 μVCz-neckPARNaPaCz-A1A2Bin stimBin stimV