ブックタイトルNICUにおける抗菌薬の使い方10の秘訣
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NICUにおける抗菌薬の使い方10の秘訣
resistant Staphylococcus aureus;MRSA)など〕の検出状況の把握として頻用されているが,監視培養とは本来はこのような適応ではないだろうか. 以下に3 症例を提示する. 症例1 は在胎28 週1 日,1,216 g で出生した極低出生体重児で,呼吸窮迫症候群(respiratorydistress syndrome;RDS)加療後経過観察中にMRSA 敗血症を発症した症例である(図1?7).表1?16 に細菌培養の経過を示す.敗血症発症6 日前に,足関節の点滴漏れ部位に小膿疱を認めており,培養でMRSA が検出されていたが全身状態は良好であった.日齢39 に低体温および無呼吸で発症.6 日前の局所感染から全身感染へと波及したと想定し,当初からMRSAをターゲットとした抗菌薬を選択した.結果的に血液と咽頭MRSA が検出された. 症例2 は成熟児ではあるが重症新生児仮死,クモ膜下出血後の脳性麻痺の児であり,長期にわたり人工呼吸管理を必要としている児の症例である(図1?8).表1?17 に細菌培養の経過を示す.日齢0 で入院後3 日間抗菌薬予防投与を行っているが感染徴候を認めずに中止.日齢7 には喀痰監視培養でS. epidermidis とE. cloacae を認め,日齢16 にはMRSA とE. cloacaeを認めていた.日齢21 に全身状態の急激な悪化と呼吸不全を認め,抗菌薬3 剤併用,サーファ16表1?16 症例1 の細菌培養経過日齢9 日齢34 日齢40 日齢43血液(-) MRSA (-)便(-)咽頭MRSA膿MRSA日 齢 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63体重(g) 1,165 1,220 1,190 1,230 1,311 1,312 1,390 1,491血液培養MRSAMRSAMRSA(?)(?)膿培養便培養咽頭培養WBC(/mm3) 11,670 16,380 17,770 13,550 17,490 13,3500.817,300CRP(mg/dL) 6.4 7.7 4.4 2.2 <0.3 <0.3 <0.340IPM/CS 70mg/kg/ 日ABK 5mg/kg/ 日(℃)39383736体 温図1?7 症例1 の経過 在胎28 週1 日,1,216 g で出生.極低出生体重児,RDS,敗血症