ブックタイトルNICUにおける抗菌薬の使い方10の秘訣

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概要

NICUにおける抗菌薬の使い方10の秘訣

 抗菌薬の副作用についても十分に配慮しなければならない. 表1?72 に一般的な抗菌薬と主な副作用を1),表1?73 に抗菌薬副作用と発現様式を1),表1?74に小児科領域における抗菌薬の副作用を示す2,3).抗菌薬の副作用はその発現様式から,①血中ないし組織内濃度(投与量)によらない(濃度非依存的)副作用と,②血中ないし組織内濃度(投与量)が高くなると発現する(濃度依存的)副作用とに分けることができる. 濃度非依存的な副作用は免疫学的な機序により発現するものと考えられ,原因となる薬物が体内に入れば濃度に関係なくひき起こされる可能性があり,過敏反応,腎障害などが分類される.体内動態と副作用56新生児における抗菌薬の副作用6表1?72 抗菌薬と主な副作用抗菌薬主な副作用ペニシリン系過敏反応,肝障害,腎障害,出血傾向,中枢神経障害(けいれん)セフェム系過敏反応,肝障害,腎障害,出血傾向,中枢神経障害(けいれん),アンタビュース様作用カルバペネム系過敏反応,肝障害,腎障害,中枢神経障害(けいれん)マクロライド系胃腸障害,肝障害テトラサイクリン系肝障害,腎障害,光線過敏アミノ配糖体系腎障害,聴器障害,神経・筋接合部障害ポリペプチド系腎障害,末梢神経障害,神経・筋接合部障害グリコペプチド系皮膚発疹(red man syndrome),腎障害,肝障害,聴器障害クロラムフェニコール系造血器障害,肝障害,グレイ症候群キノロン系胃腸障害,肝障害,中枢神経障害,低血糖,光線過敏(光毒性)(文献1 より引用)表1?73 抗菌薬による副作用と発現様式発現様式抗菌薬副作用濃度(投与量)非依存的に発現ペニシリン系発疹,発熱,ショック,腎障害セフェム系発疹,発熱,ショック,腎障害カルバペネム系発疹,発熱,ショック濃度(投与量)依存的に発現アミノ配糖体系腎障害,聴器障害ペニシリン系けいれんセフェム系けいれん, アンタビュース様作用,出血傾向カルバペネム系けいれんキノロン系けいれんグリコペプチド系腎障害,聴器障害投与速度に関連グリコペプチド系red man syndrome(文献1 より引用)