ブックタイトル薬剤師が知っておきたいチーム医療実践のための感染症検査
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薬剤師が知っておきたいチーム医療実践のための感染症検査
123インフルエンザ?また,同じBALF を用いた迅速診断検査では,A型が弱陽性という結果となった.経気管支肺生検にて,びまん性肺胞傷害の所見を認めた. 呈示した症例は,インフルエンザウイルス感染症の中でも最重症例の純インフルエンザウイルス肺炎であるにもかかわらず,迅速診断検査が3回とも陰性となった.その理由を考察したい. 図5-3はマウスによる実験により,重症のインフルエンザウイルス感染症の病態を示したものである9).この図に示されるように,急性期にはインフルエンザのウイルス量は多くない.図5-2 症例の画像所見a 胸部単純X 線所見(pandemic H1N1 2009 ウイルス).両側性,中・下肺野優位にスリガラス陰影,および浸潤影を認める.b 胸部CT 線所見(pandemic H1N1 2009ウイルス).血流の多い部分では浸潤影,血流が中等量の部分ではスリガラス陰影(血管が透見可能),血流の少ない部分では,ほぼ正常と,血流の影響によって陰影に程度が変化していることが示されている. (文献5 より引用)図5-3 インフルエンザ感染と生体応答 (文献9 より引用,一部改変)0 3サイトカインストーム6 9感染後の日数12 15(日)インフルエンザ感染血管透過性の亢進自然免疫と獲得免疫反応(slgA,lgG)ウイルス力価生物学的反応タンパク分解酵素の産生多臓器不全トリプシン/MMP-9TNF-α,IL-6, IL-1βa b