ブックタイトル在宅医療X感染症

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概要

在宅医療X感染症

 大曲:なかなか厄介なのが疥癬の問題ですね.どうしても診断が遅れがちになる疾患ではないかと思います.よって典型的な発症の仕方を知っておくことは重要ではないかと思います.例に出したのは角化型疥癬の,ある意味典型的な事例です.すぐに診断がつかないからこそ,角化型になるまで悪くなってしまうのではないかと思っています.さて,疥癬の発症の仕方について,先生方のご経験をシェアしていただけないでしょうか. 藤田:老人ホームでの疥癬での発症は幸いなことにまだ経験ありません.しかし施設入居の高齢者は,しょっちゅうあちらこちらをかゆがっていて,ひょっとしたらこれも疥癬か,あれも疥癬か,という不安に襲われながら軟膏を処方することが度々です. 私の場合は皮膚科の往診が頻繁に入ってくれる施設に往診しているので,まだ助かっていますが,皮膚科へのアクセスがない施設ですと,ケースのような事態にいつ自分が遭遇してもおかしくないと思います.診断が遅れがちなのはなぜか?感感在症 例 A さん 90 歳 女性. 脳血管障害および認知症があり,ADL もやや低下.長期療養型施設である○○ホームに入所している.A さんは数か月前から体幹・四肢の?痒感を訴えるようになった.ホームの嘱託のB 医師は依頼を受けてA さんを診察したが,高齢者には?痒感の訴えはよくあることなので,抗ヒスタミン薬の塗布で対応していた.やがて体幹に丘疹も目立つようになったため,ステロイド薬と抗ヒスタミン薬の合剤も使用するようになった.しかし?痒感は治まらない.丘疹は増加し,落屑も目立つようになってきた.B 医師は対応に困り,皮膚科のC 医師へ受診させるよう手配した.その診察の結果,角化型疥癬との診断がついた.この頃になって,A さんを担当していた施設の職員数名が皮膚の?痒感を訴え始め,いずれも疥癬と診断された.9皮膚軟部組織感染討論者 感在藤田崇宏 × 感在吉村 章 × 感大曲貴夫施設入所者と疥癬68