ブックタイトル在宅医療X感染症
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在宅医療X感染症
討論者 在遠藤光洋 × 感大曲貴夫 201×年1 月,インフルエンザA 型の流行期.〇△診療所は通常通り,1日の訪問予定が計50 件,当日出勤の医師が計3名.当日の訪問予定の割り振りを検討するため,朝のカンファレンスが始まった.カンファレンス中に,前日までの情報を全スタッフで共有.インフルエンザに関連して,当日共有された内容は,以下の通り.・ 前日からの発熱患者が計3名.そのうち1名は5歳男児,人工呼吸器使用患者.家族に有症状者なし.・ 診療所スタッフにも発熱で欠席の者2名.その他,同居家族がインフルエンザA 型と診断された者(看護師)1名.訪問の順序,スタッフの出勤の判断,同居者がインフルエンザと診断された看護師の抗インフルエンザ薬の予防投与について検討された.症 例 大曲:感染防止対策が問題になるのは病院の中だけだ,と思うのは病院の医療者の思い込みですね.在宅での医療に関わる先生方から時々ご相談を頂きます.たとえば「在宅で一緒に訪問している職員が昨日から発熱し,今日インフルエンザと診断されてしまった.その職員は,昨日は私と一緒に数名の患者さんを訪問し,またほかの医療者と同室でのミーティングもあった.これから対応として何をすればいいだろうか」という相談がありました.在宅の領域には,その領域の感染対策の課題があることを私はそこで学びました. 遠藤:在宅の場で感染対策として問題となるのは,やはりインフルエンザが多いように思います.例年冬季シーズンになると必ず頭を悩ませます.もちろん,ワクチン接種はほぼ全患者さんに行い,可能であれば同居家族にも往診時に実施します.大体,10 月下旬から1 か月程度をかけて行うのですが,問診票の確認,バイアルの準備などなどそれぞれ時間がかかるので,時間のマネジメントが大変なのです.あらかじめ往診前に患者さん在宅でのインフルエンザワクチン接種感在10314 インフルエンザ(個人宅)感染対策