ブックタイトルケースに学ぶ 高齢者糖尿病の診かた
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ケースに学ぶ 高齢者糖尿病の診かた
37.GLP-1 受容体作動薬はどう使う? 217 認知機能については,甲状腺機能や血中ビタミンB1,ビタミンB12 の濃度は正常内で,頭部MRI の結果からも正常圧水頭症,慢性硬膜下血腫は否定的であった.また,アルコールの多飲歴もなく,ウェルニッケ脳症を疑う所見も認めなかった.頭部MRI の結果から,大脳白質に虚血性変化を認め,微小な脳虚血に伴う軽度記銘力障害と診断された.糖尿病については,2 型糖尿病のインスリン非依存状態であった.糖尿病歴18 年であるが,糖尿病の合併症は認めない状態である.1 GLP- 1 受容体作動薬の導入 入院後,インスリン分泌能は保たれており,高血糖による代謝障害を示す口渇や多飲,多尿,体重減少の症状は認めなかった.総エネルギーは1,600 kcal(29.4 kcal×kg 標準体重)/日,塩分6 g 未満/日の食事療法を開始するも,空腹時血糖値 250 mg/dL,食後2時間血糖値 350 mg/dL と著明な高血糖を認めたため,インスリン療法の相対的適応(空腹時血糖値 250 mg/dL 以上,随時血糖値 350 mg/dL 以上)と考えて,第3病日より経口血糖降下薬(グリメピリド,リナグリプチン)を中止し,強化インスリン療法へ変更した(図37 - 1).持効型インスリンであるインスリングラルギンと超速効型インスリンであるインスリン経過─治療とケア─インスリン〔単位〕 血糖値〔mg/dL〕350300250200150100025051015201 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14入院期間〔病日〕15 16 17 18 19 20 21 22リナグリプチン 5 mg +グリメピリド 1.5 mg シタグリプチン 50 mg0.75 mgインスリンリスプロインスリングラルギンデュラグルチド 0.75 mg朝前昼前夕前眠前23 24 25 26 27 281 2 3 4 5 6 7 8 9 109 9 9 9 9 10 11 1111 12 13 14入院期間〔病日〕15 16 17 18 19 20 21 224 8 10 10 10 1010 1010 10 10 10 10 10 10 10 105 5 523 24 25 26 27 28(A)血糖測定器による血糖値(B)糖尿病治療内容図37 - 1 本症例における入院中の血糖値の推移と治療経過