ブックタイトル肺動脈形成術PTPABPA実践ガイド
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肺動脈形成術PTPABPA実践ガイド
193 CTEPH の右心カテーテル検査と肺動脈造影検査変の評価に有用な場合がある.また,CTEPH の診断がすでに確定していて,PTPA の術前評価に肺動脈造影を行うような場合も,肺動脈全体の肺動脈造影では,一見webs &bands 病変を同定しづらいケースがある.区域枝を選択的に造影することで,病変部を同定しやすくなるため,選択的な造影を行って治療戦略を立てることも有用である.5 肺動脈の解剖学的構造図2 に肺動脈のシェーマ,図3 に肺動脈造影画像および,表1 に区域枝および亜区域枝のナンバリングを示す.ただし,肺動脈の区域枝や亜区域枝の分岐については,成書によっても若干の差異を認めるため注意を要する.PTPA を行っていくうえで,治療血管の正確な同定を行うことは必須である.治療対象部位の慢性期の評価や,術者間での情報の正確な伝達を行ううえでも,区域枝/亜区域枝の認識の精度・再現度を高めるために,まず基本的な肺区域のナンバリングを把握する必要がある(図4).また区域枝ごとに基本的な分岐方向は一定していることと,肺動脈は気管支に伴走して分岐しているため,気管支で用いられる亜区域枝の記号化を著者らは採用し,亜区域枝もしくは亜─亜区域枝レベルまで,治療した部位に関してレポートを作成している.そのため,左肺動脈の区域枝のナンバリングは左A1 および左A2 は左A1+2 としてまとめて取り扱い,また左A7 に関しては左A8 からの分枝であったり左A9 からの分枝であったりと,症例によって定まっていないことから,著者らの施設では左A7は基本的に左A8 または左A9 の分枝の一つとして取り扱い,独立した区域枝としては取り扱わないこととしている.図3 肺区域分けに基づいた肺動脈区域枝ナンバリングを示した肺動脈造影画像(ピッグテイルカテーテル先端を左右各肺動脈主幹部に留置して造影)造影による明瞭さを重視し,CTEPH ではなく特発性肺動脈性肺高血圧症(IPAH)と診断された患者での肺動脈造影画像を示す.A2A2A1A1+2 A1A1+2A3A3 A3 A3A4A4A4A6A6A6A6A5A5A5 A5A7A8A8 A8A8A9 A9右肺動脈a.正面像b.側面像左肺動脈右肺動脈(RAO90°) 左肺動脈(LAO90°)A9A10 A9A10 A10A10