ブックタイトル肺動脈形成術PTPABPA実践ガイド
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肺動脈形成術PTPABPA実践ガイド
653 PTPA 中の手技手順 ─ 6. バルーンの選択とバルーン拡張2 使用されるバルーンのサイズPTPA によるバルーン拡張は肺動脈区域枝に施行されるが,その適応は広がりつつある.肺動脈中枢型のCTEPH に対するPTPA 症例の報告があるように 1),今後は外科手術に比べて低侵襲であるPTPA が,これまで以上に適応を広げていく可能性がある.PTPA のバルーンサイズは,治療対象血管径が肺動脈区域枝末梢から中枢側まで幅広いために,1. 5 mm 大の小径のものから10 mm 以上のバルーンまで病変に合わせて幅広く使用されている.慢性完全閉塞を治療する際は,さらに小径のバルーンから順次サイズアップしていくこともある.長さについても病変に合わせて選択するため,10 mm 前後のものから40 mm 長まで病変によって幅広く選択される.具体例を図1 に示した.サイジングについては肺動脈造影所見のほか,他項に詳細は譲るが血管内超音波(IVUS),OCT が使用される.治療後は両領域において胸膜下まで良好な血流が改善している.これはあくまで印象ではあるが,IVUS で測定される血管径は,造影検査で測定される値よりもやや大きい傾向があり,器質化血栓の病変形態や血栓量を考慮せずそのままIVUS によってバルーンサイズを決めるより,肺動脈造影により決定する方が過拡張となって合併症が生ずる頻度が少ないように思われる.ここがポイント使用されるバルーン① 基本は0. 014 inch ワイヤー対応のRapid exchange 型.② バルーンサイズはバルーン径1. 5 mm?10 mm× バルーン長15 mm?40 mm と幅広く使用される.図1 PTPA におけるバルーン拡張の実際治療前はA8 に狭窄病変(web やband:白矢印)と,A9 に完全閉塞病変(黒矢印)を認めている(a).A8 の病変を末梢血管系(色矢印)に合わせて5 mm で拡張している(b).A9 は小径のバルーンから拡張し,その後に末梢血管系に合わせて3 mm で拡張している(c).両領域において胸膜下まで良好な血流が改善している.a:治療前b:左A8 に対するバルーン拡張c:左A9 に対するバルーン拡張d:治療後