ブックタイトルエキスパートに学ぶパーキンソン病・パーキンソニズムQ&A

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概要

エキスパートに学ぶパーキンソン病・パーキンソニズムQ&A

34Ⅱ.パーキンソン病と類縁疾患の鑑別Q 1 本症例より想起される疾患の症候について,正しいものを2 つ選べ.a.緩徐眼球運動が特徴的な徴候である.b.球症状が診断上,重要な症候である.c.呼気性喘鳴の存在の有無は診断上,有用である.d.末梢神経障害が中核的な症候のひとつである.e.姿勢異常が診断上,有用な症候である.(A1.b,e)Q 2 本症例より想起される疾患の臨床的特徴について,正しいものを2 つ選べ.a.高齢者が純粋小脳失調で発症することが典型的である.b.発症から平均5 年程度で車椅子使用が必要になる.c.突然死が生じることが報告されている.d.若年発症の5 ?10 % は家族性に起こる.e.わが国では東北地方で有病率が高い.(A2.b,c)Q 3 本症例より想起される疾患の画像所見について,正しいものを2 つ選べ.a.ドパミントランスポーターシンチグラフィーの取り込みは低下する.b.123 I-MIBG 心筋シンチグラフィーの取り込みは低下する.c.123 I-IMP 脳血流シンチグラフィーの取り込みは後頭葉で低下する.d.頭部MRI のFLAIR 画像で白質に高信号域を認めることが多い.e.頭部MRI のT2* 強調画像で被殻外側に低信号域を認めることが特徴的である.(A3.a,e)初診時診断パーキンソン症候群パーキンソン病以外の神経変性疾患,多系統萎縮症(MSA),とくにパーキンソニズム優位の多系統萎縮症(MSA-P)の疑い 51歳時に左上肢,つづいて左下肢の運動障害を自覚した.その後,右上下肢にも運動障害が広がり,約4 年の経過で,55 歳時に自力歩行が困難となった.ドパミンアゴニストの変更を契機に首下がり,体幹の傾きが出現した.L -ドパへ変更されていったん軽減したが,以後,増悪している.神経学的には,運動緩慢,筋強剛,姿勢保持障害,構音障害,首下がり,姿勢異常が認められた.病変部位診断は錐体外路系,病因診断は潜行性発症で緩徐エキスパートはここを●診る