ブックタイトル循環器診療のロジック
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循環器診療のロジック
以下に心臓超音波検査(心エコー検査,図13 - 1)および血液検査の結果を示す(下線部はとくに注意すべき値).症 例 39歳男性主 訴労作時呼吸困難現病歴 患者は生来健康であったが,37 歳ごろより労作時の息切れを自覚していた.近医を受診し,胸部X 線写真で心拡大を認めたことから心不全疑いと診断されたが,精査を受けることなく利尿薬による対症療法のみ受けていた. 39 歳の冬,徐々に症状が増悪し,平地歩行でも息切れを自覚するようになったため,総合病院の循環器内科へ紹介受診した.身体所見 来院時,身長173 cm,体重78 kg で,平時より3 kg 体重が増加していた. 血圧114 / 84 mmHg,心拍105 /分,SpO2 95%(room air).心音はⅢ音を聴取し,心雑音は聴取せず,呼吸音は清であった.下腿浮腫はみられなかった.検査所見 胸部X 線写真では心胸郭比(CTR)53%と心拡大があり,肺うっ血像を認めた.肋骨横隔膜角は両側鋭であった.心電図は,洞性頻脈で左軸偏位,左脚ブロックを認めた.血液検査では,BNP 値が536 . 1 pg/mL と上昇していた. 以上の所見から,うっ血性心不全と診断し,精査・加療目的に入院となった.既往歴特記事項なし.(A)拡張期 (B)収縮期図13 - 1 来院時の心エコー図(胸骨左縁左室長軸断面像)13. 拡張型心筋症,慢性心不全 8513. 拡張型心筋症,慢性心不全Category Ⅲ.心筋疾患