ブックタイトルお母さんのアレルギー診療と子どもの発症予防

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概要

お母さんのアレルギー診療と子どもの発症予防

39IV 各論 アレルギー疾患の管理らずある.適切な管理が行われれば,妊娠そのものによって喘息が悪化する症例はあまり多くないと考えられる. 妊婦による喘息悪化の原因は,横隔膜挙上による機能的残気量の減少,胃酸逆流,ストレスによるものが多いといわれている.図 5に示すように,このデータから影響が出やすいのは妊娠中期であることがわかる2).この要因は治療を継続しなかったためか,妊娠の影響によるのかははっきりしていない. 各妊娠ステージの喘息状態は下記のような報告がある.  妊娠中期~後期(24~36週目)に増悪発生率が高い3)  妊娠後期(37~40 週目):喘息症状/過敏性の改善  分娩中/出産後:数パーセントの患者で発作の報告2,4) 分娩前のコントロールが良好であった場合,重篤な発作を生じたケースの報告はほとんどない.図 5 妊娠が喘息に及ぼす影響睡眠が妨げられた日の割合.対象: 妊娠中の喘息患者75 例(妊娠前と比較し妊娠中に喘息症状が悪化,改善,不変であった各25 例)方法:喘息日誌の「睡眠が妨げられた日の割合」を4 週間隔で評価した.悪化 n=25改善 n=25不変 n=25student-t 検定1412108642(日)妊娠週数17~20 21~24 25~28 29~32 33~36 37~40(週)P=0.0494週間隔当たりの症状のある日数P=0.041