ブックタイトル臨床神経内科学 改訂6版

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概要

臨床神経内科学 改訂6版

1 めまいvertigo・dizzinessA 基礎知識 我々の静止状態での安定した姿勢平衡感覚が障害され,自身あるいは外界が回ると感ずる不快な錯覚である.医学的には前庭系平衡感覚,視覚情報,固有体性感覚の統合からなる健常な平衡機能がその一部の障害で前庭眼反射・視運動反射・深部固有感覚の不統合・ミスマッチが起こることにより感じる統合的異常感覚であり,自律神経系とも関連して嘔気・嘔吐も伴うことがある1).1 前庭器の解剖・生理 平衡感覚にもっとも重要な入力を送るセンサーは側頭骨内の内耳迷路にあり,球形嚢,卵形嚢からなる直線加速度を感受する耳石器および角加速度を受容する三半規管がその重要な役目を果たす(図Ⅲ-16-1).耳石器の感覚細胞は平衡斑にあり,三半規管では膨大部稜にある.これらの感覚細胞は内リンパ液により浸されている(図Ⅲ-16-2).その先端には感覚毛があり平衡斑では耳石膜,膨大部稜ではクプラに触れており頭部の傾きに応じた重力偏倚,内リンパ液流変動に応じて屈曲し,ひずむことで電気信号となりその電位が有毛細胞底部求心性線維からなる前庭神経に送られ双極前庭神経節を通SectionⅢ 神経症候の診かた148前膨大部外側膨大部卵形?球形?上前庭神経下前庭神経前庭神経節前庭神経内耳道前庭神経核蝸牛神経核蝸牛神経蝸牛ラセン神経節大錐体神経顔面神経膝神経節延髄外側核上核下核内側核腹側核背側核後膨大部図Ⅲ-16-1 内耳の解剖と中枢との連絡路(Netter FH.:The CIBA Collection of Medical Illustration. Vol. 1. Nervous System. Part 1.Anatomy and Physiology より)16 めまい・平衡障害の診かた