ブックタイトルベッドサイドの神経の診かた 改訂18版
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ベッドサイドの神経の診かた 改訂18版
- 1 -病歴のとりかた いかなる疾患を診断するときにも病歴が大切なことはいうまでもないが,特に神経系疾患では病歴の持つ意味は極めて重要である.病歴を上手にとることは,疾患の診断を60 ?70%可能にするとさえいわれている.神経疾患の中には病歴だけで診断がほぼ確定できる疾患がある.たとえば片頭痛,てんかん,周期性四肢麻痺,メニエール病などで,いずれも特有な発作を示すものである.このように一般に機能的な神経疾患は,神経学的診察よりも病歴によって診断が確定される. 一方,器質的な神経疾患では,病変がいかなる部位にあるかという局在診断と,その種類,原因は何かという原因的診断が重要である.患者を実際に診察して得られる臨床神経学的所見は,器質的神経疾患の局在診断に必要な根拠を与えるのに対し,病歴は原因的診断に役立つ.これは障害の原因,種類により発病の様相や経過が異なってくるからで,この結果,特有な経過をもつ器質的疾患は病歴で十分診断がつく. 病歴をとるということは,患者の訴えを「聞く」ことと,患者に「問う」ことの2 つの方法から成り立っている.教養のある患者が順序よく,正確に述べるときには,その記述が,そのまま立派な病歴になることもある.しかし高齢者や神経質な患者ではあまり関係のないことを長々と述べたり,ときには重要な症状であるのに,患者が気にしていないので訴えなかったり,逆に恥ずかしいなどの理由でわざと隠すこともありうる.したがって病歴を上手にとるには,まず患者の述べる異常を一応よく聞き,考えられる疾患の診断に重要と思われることが欠けているときには,これを問い,患者から引き出すことにより病歴を補足整理していくことである. 病歴のとりかたは,必要にして正確,しかも有効なものでなければならない.これは有効にして必要な問診のとりかたの順序をよく頭に入れることが大切であり,表1-1 にその例を示す.病歴は必ずしも神経学的診察の前に完結させるものではなく,後から書き加えてもよい.診察によって,ある疾患が疑わしくなり,再び病歴を聞きかえさなければならないこともしばしばある.こ1 病歴で診断がつく 2 病歴をとるにあたって 1