ブックタイトル実践から識る!心不全緩和ケアチームの作り方

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概要

実践から識る!心不全緩和ケアチームの作り方

129D 亀田総合病院─心不全,緩和ケア両チームの取り組みと連携の現状─別指導を行っている.記録手帳は,患者もしくは家族や介護者が,患者の心不全の症状を毎日記録でき,患者や家族自ら異常の早期発見ができ,早期受診行動につながることを目的にしている.当院の記録手帳で工夫しているのは,目標体重を基準として体重の増減をグラフで記載する形式にしており,体重が+2 kg を目安に患者に早期受診を促している点である.多職種の個別指導後に,患者に心不全の悪化症状や自分の目標体重についてなどの質問項目からなる理解度チェックを行い,患者の知識の習得状況を確認している.さらに,ヨーロッパ心不全セルフケア行動尺度の日本語版 1)をチェックリストとして使用し,セルフケア行動を自己評価してもらっている.心不全患者は,息苦しさなどの症状を繰り返すことで死の恐怖や不安を抱きやすく,心不全患者の約20%が抑うつ症状を有することが報告されている 2).当院では,米国心臓協会American Heart Association(AHA)で推奨されているPatient Health Questionnaire(PHQ-2)およびPHQ-9(図4-D-3)を用いてスクリーニングを行い,表面的にはわからない潜在状態にある抑うつ症状の患者を早期に発見するようにしている.もしスクリーニングの点数にかかる場合は,心理士による専門的な介入を行っている.当院では,心不全チームメンバーは,週1回1時間程度,入院中の心不全患者全員のカルテレビューを行う.事前に,各職種が対象患者のカルテレビューを行い,各職種の視点から患者図4-D-1 心不全入院指導シート 軽症?中等症 医療スタッフ用患者氏名:     担当医師:     入院日:   退院目標:  週程度日時入院日 / ~ / ~2(目安:2 日~7 日)/ ~3(目安:4 日~)/ ~4(~退院時) 介入終了理解度チェッククリア退院前説明悪化時の対応説明( / )理解度チェック②セルフケア行動尺度薬剤指導②( / )栄養指導②( / )運動療法説明( / )入院中のリハ目標達成( / )ライン抜去または200m 自由歩行セルフケア(内服,体重,血圧など)退院日の設定病棟依頼時薬剤対応退院調整(済 / )<ADL 維持>200m 歩行獲得( / )運動負荷試験の準備6 分間歩行( / )CPET( / )<ADL 低下>6 分間歩行( / )予防接種の希望( / )心不全理解度チェック①うつスクリーニング→心理士手帳の使用方法を理解する体重測定身長測定日常生活説明( / )体重測定開始薬剤・栄養指導の日程調整薬剤指導①( / )栄養指導①( / )手帳の説明( / )入院中のリハ目標をたてる制度の説明( / )尿カテ抜去,酸素off,カテコラミンoff のいずれかを達成1(入院初日~2 日)酸素・尿カテ・点滴・静注病名記入病状・検査・治療説明安静度・飲水制限の説明日常生活習慣の確認入院治療について説明( / )MSW 検討と連絡 NST 検討と医師へ依頼初期アセスメント(持参薬など / ) NST 介入(要・不要)心リハ説明( / )MSW 介入(要・不要)手帳手帳手帳手帳手帳手帳手帳手帳手帳手帳手帳手帳手帳手帳ステージ状態患者目標医師看護師薬剤師栄養士PTMSW心不全の元となる疾患:心筋梗塞,弁膜症,心筋症,不整脈,高血圧,その他(      )心不全の増悪因子:怠薬,飲水過多,塩分過多,過労,感染症,貧血,その他(      )新しいステージに入った日付を記載カテコラミンを使用していない人は3 日でライン抜去が目標退院予定日:月 日注)カテコラミン:ドブタミン(ドブポン)ドパミン(イノバン)ノルアドレナリン