ブックタイトル実践から識る!心不全緩和ケアチームの作り方
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実践から識る!心不全緩和ケアチームの作り方
49E 看護師の役割a.療養環境を整える暑さ,寒さは患者の症状と相関するときもある.患者が快適に過ごせるよう室温に配慮する.呼吸困難が強いときは,オーバーベッドテーブルや枕を利用し,安楽な体位を取れるようにすることも必要である.照明も,暗いほうが眠れる,暗いと不安が増す,など患者によりさまざまであり,患者の希望に合わせ調整する.また,症状による苦痛や病期の進行を感じ不安に思っていたり,入院し家族と離れることで寂しさも増しているため,家族や飼っているペットの写真を飾ったり,病室で家族と過ごす時間を作れるよう配慮する.なかなか来院ができない家族には,テレビ電話を利用したり,家族にビデオを撮ってきてもらうこともよいかもしれない.b.患者の症状に合わせてケアを調整し提供する清潔を保持することは患者の精神的な安らぎにもつながる.しかし,ケアをすることで患者に負荷を与えることもあるため,患者の状態を評価し,状態に応じ患者と相談しながら,ケアの内容を検討し行う.手浴や足浴など部分ケアを日々少しずつ行っていってもよい.c.リラクゼーション音楽はストレスホルモンであるコルチゾールを減少させる.患者の好きな音楽をかけることで,ストレスを軽減しリラックスでき,精神心理的苦痛の緩和につながる.また,香りも直接大脳辺縁系に伝わりストレスを軽減するといわれている.患者の好きな香りを用い,芳香浴を行うこともリラックスにつながる.表2-E-1 心不全の緩和ケア提供において看護師の果たす役割果たす役割内容① 診療補助・苦痛を評価し,記録する* 患者の言葉や表情なども記載する・医師に情報提供を行う・薬剤を安全・確実に投与する② 看護ケア・患者の状態に合わせた療養環境,ケアを提供する・患者が希望するリラクゼーションを取り入れる・患者に寄り添い,思いを聴き,不安を緩和する・患者の望みを聴き,実践可能か考える③ 意思決定支援・患者の背景・何を大切に生きてきたのかを知る・患者が思いを表出できるよう支援する・継続して意思決定支援を行う④ 家族ケア・家族の思い・意向を知り,患者・家族が決めたことを支援する・家族の気がかり・疑問・不安に早期に対応する⑤ 多職種協働の支援・調整・ 関係している多職種に情報提供し,患者が必要としているケアを受けられるよう働きかける・カンファレンス開催の調整を行う