ブックタイトルエキスパートが秘訣を語る 循環器薬物治療の極意

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概要

エキスパートが秘訣を語る 循環器薬物治療の極意

6Ⅰ.高血圧に対する薬物治療症例提示患者 82歳,男性現症 身長 150.4 cm,体重 58.3 kg(BMI 25.8)既往歴 本態性高血圧症(25年),慢性腎臓病(5年),2型糖尿病(2年)生活歴 飲酒:1.5合(日本酒)/毎日,喫煙:8本/日(20歳時より),住居:築35年の木造住宅内服薬 アムロジピン/バルサルタン配合錠(5 mg/80 mg)1日1回1錠(就寝前),ドキサゾシン錠4 mg 1日1回1錠(就寝前)検査所見 血液検査,尿検査を行った結果,微量アルブミン尿を呈する腎機能低下(腎症 第2期)あり.推定食塩摂取量も多い.血算 :WBC 6,700/μL,RBC 444 × 104/μL,Hb 13.8 g/dL,Ht 42.95%,Plt 17.0 × 104/μL肝・腎機能 : AST 21 IU/L,ALT 17 IU/L,γ-GTP 27 IU/L,BUN 15.3 mg/dL,Cr 0.94 mg/dL,(eGFR 58.8 mL/分/1.73 m 2 )尿酸 :UA 6.8 mg/dL電解質 :Na 142 mEq/L,K 4.6 mEq/L,Cl 104 mEq/L糖代謝 :BS 121 mg/dL,HbA1c( NGSP) 6.6%脂質 :LDL-C 130 mg/dL,HDL-C 63 mg/dL,TG 110 mg/dL心機能 :NT-proBNP 371 pg/mL尿検査 :UACR 102.3 mg/gCr,推定食塩摂取量(尿中Na/Cr比)9.73 g/日経過? 受診年の2年前(X-2年)より,前述の降圧薬で高血圧治療を受けていた.診察室血圧平均値は137/52 mmHg であり,2 型糖尿病と慢性腎臓病の合併を考慮すると,血圧のコントロールは不十分であった.? 24時間自由行動下血圧測定(ABPM)では,早朝高血圧・昼間高血圧を認めるとともに,著明なモーニングサージ(58 mmHg)を呈していた(図1 - 1).また,以前より熱心に家庭血圧測定を行っている患者であり,慎重に家庭血圧レベルを管理していく必要性もあったため,X-1 年より,測定値や測定時間・測定した室温などの情報が自動転送される家庭血圧計を貸与し,家庭血圧の測定をお願いした.この装置では夜間家庭血圧測定も可能であり,この患者は,ほぼ毎日この家庭血圧計を巻いて就寝し,決まった時間(2:00,3:00,4:00の3回)に自動的に測定される夜間血圧も測定していた.? 月別に,①早朝収縮期血圧(早朝 SBP)平均値,②家庭血圧モーニングサージ(早朝 SBPA1 Ca拮抗薬の効果はどれも同じか?F K