ブックタイトルエキスパートが秘訣を語る 循環器薬物治療の極意
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エキスパートが秘訣を語る 循環器薬物治療の極意
48Ⅱ.心不全に対する薬物治療症例提示患者 68歳,女性診断名 慢性心不全,急性増悪主訴 労作時呼吸困難感,下腿浮腫現病歴 今回の受診より3年前(X-3年),64歳時に左室前壁の急性心筋梗塞を発症し,虚血性心筋症・慢性心不全で外来にて加療されていた.心不全治療薬としてβ遮断薬(カルベジロール20 mg/日),ACE 阻害薬(ペリンドプリル 4 mg/日),ループ利尿薬(フロセミド 20 mg/日),サイアザイド系利尿薬(トリクロルメチアジド 1 mg/日)が処方されていた.X 年に肺炎を契機に心不全増悪で入院となり,3週間の心不全加療のもと退院となった.退院3カ月後に心不全増悪にて再び入院加療が必要となった.同退院3週後から体重の増加を認め,その後,労作時息切れを自覚,下腿浮腫も認めるようになったため,外来受診となった.所見 身長 154 cm,体重 51 kg(前回退院時体重 47 kg),血圧 138/81 mmHg,脈拍数 81/分・整,呼吸数 16/分,SpO2 96%(室内気).胸骨右縁第2肋間で駆出性雑音(Levine 分類Ⅱ度/Ⅵ度),ラ音は聴取せず.頸静脈怒張,下腿浮腫を認める.既往歴 2型糖尿病(インスリン治療中),糖尿病性腎症(慢性腎不全ステージG3b),脂質異常症(スタチン服用中),高血圧(カルシウム拮抗薬服用中).検査所見血算 : 白血球 4,320/μ L,赤血球 390 × 104/μ L,Hb 12.3 g/dL,Ht 35%,血小板 12 × 104/μ L生化学 : Alb 3.5 g/dL,AST 31 U/L,ALT 45 U/L,LDH 385 U/L,CK 140 U/L,BUN 31 mg/dL,UA 7.1 mg/dL,Cr 1.37 mg/dL,eGFR 30.3 mL/分/1.73 m2,血清Na 139 mmol/L,血清K 4.4 mmol/L,血清Cl 103 mmol/L,空腹時血糖値 136 mg/dL,BNP 3,360 pg/mL胸部X線 : 心胸比 68%,肋骨横隔膜角:鈍,肺血管陰影の増強心電図 : 洞調律,心拍数 81 bpm心エコー : 左室拡張末期 55 mm,収縮末期 44 mm,左室駆出率 26%(Disc法),左室前壁を心尖部に壁運動異常を認める.大動脈径 30 mm,左房径 39 mm,大動脈弁狭窄 中等度,僧房弁逆流 軽度,三尖弁逆流 中等度,三尖弁逆流弁間圧較差 33 mmHg,下大静脈径 22 mm で呼吸性変動認めず経過? 外来受診時に,下腿浮腫,胸水貯留,肺血管陰影の増強などのうっ血所見を認め,心不全増悪と判断した(図7 - 1).フロセミドを20 mg/日から40 mg/日に増量し,4 日後の再診を指示した.? 4日後の再診時には体重は2 kg 減少し,労作時の息切れは改善傾向であった.血液検査でA心不全治療におけるループ利尿薬とミネラルコルチコイド受容体拮抗薬の使いかたは? 7N A M