ブックタイトルガイドライン準拠 C型肝炎治療Q&A

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概要

ガイドライン準拠 C型肝炎治療Q&A

Q1.SVRの定義と判定 161もHCV が存在しない非感染状態を意味する可能性がきわめて高い.? 一方,抗ウイルス治療中では,治療により肝内の HCV 増殖が抑制されると,それを反映して血清中のHCV RNA が検出されなくなるが,これは必ずしも肝内のHCV の完全な排除を意味するものではない.したがって,抗ウイルス治療中の血清HCV RNA が陰性であっても,肝内におけるHCV 排除が完全に達成されていない場合,抗ウイルス治療終了後に血清HCV RNA が再陽性化し,ウイルス血症が再燃する(図1 - 1).ウイルス血症の再燃は,ほとんどの場合,抗ウイルス治療終了後24 週以内に起こり,それ以降に再燃することはまれであるため,抗ウイルス治療終了後24週時点でのHCV RNA の陰性化をもってSVR と判定する.D C型肝炎のウイルス学的な治癒とC型慢性肝障害の治癒? SVR が得られると,C 型肝炎の肝病変の進展は改善または停止することが多く,発癌リスクも徐々に低下するが,発癌リスクがまったく消失するわけではない.SVR はあくまでもC 型肝炎におけるウイルス学的な治癒を意味するのみであり,C 型慢性肝障害,すなわち,これまで存在していた慢性肝炎や肝硬変の治癒を意味するものではないことに注意が必要である.(朝比奈靖浩)図1-1 抗ウイルス治療とSVR 判定1検出せず治療開始治療終了治療終了後24週234567血清HCV RNA量〔Log IU/mL〕SVR判定定量検出限界SVR再燃無効抗ウイルス治療