ブックタイトルガイドライン準拠 C型肝炎治療Q&A

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概要

ガイドライン準拠 C型肝炎治療Q&A

180 Ⅶ.その他の治療,生活指導を3. 5年間投与する群と無治療群とに無作為化割付し,観察期間中における死亡,肝発癌,肝不全の発症,組織学的線維化の悪化をエンドポイントとして比較検討した.その結果,経過観察3. 8 年の時点でいずれかのエンドポイントに至った症例は計157 例であり,Peg-IFNα少量長期投与群では34. 1%,無治療群では33. 8%と両群間に有意差は認められなかった.したがって,この段階ではPeg-IFNα+リバビリン併用療法の非著効例におけるPeg-IFNα少量長期投与の有用性は立証されなかった.? その後,HALT-C 試験の観察期間を中央値で6. 1年(最大8. 7年)まで延長した追加結果が報告され,7 年累積発癌率はPeg-IFNα少量長期投与群と無治療群ではそれぞれ7. 2%と9.6%で有意差は認められず,発癌抑制効果は明らかではなかった8).しかしながら,肝硬変のみに限った解析では,Peg-IFNα少量長期投与群と無治療群における7 年累積肝発癌率はそれぞれ7. 8%と24. 2%であり,肝硬変でのPeg-IFNα少量長期投与群における有意な発癌率の低下が認められた.■ わが国における検証? HALT-C 試験の結果を受けて,わが国においても Peg-IFNαの発癌抑制効果の検証を目的に,多施設共同研究によるPeg-IFNα-2a 単独投与群59 例と,年齢,性別,肝線維化の程度,血小板数および血清ビリルビン値をマッチさせたIFN 非投与群59例の比較検討が行われた.Peg-IFNα-2a 単独投与群とIFN 非投与群の約4年(中央値1,395日)の累積発癌率はそれぞれ3.4%と13.6%で,Peg-IFNα-2a 単独投与群において有意に低値であり(P =0.0187),相対危険度は0. 167であった.また,治療開始後24週目のALT 値が40 U/L 未満もしくはAFP 値が10 ng/mL 未満となった群において,有意な累積発癌率の低下が認めら図1-1 複数回のインターフェロン(IFN)療法が非著効におわった症例におけるIFN 少量長期投与の経過1,000 200ALT〔U/L〕HCV RNA〔KIU/mL〕100375005(+)(-)(+)6~7 Log IU/mLSNMC60 mLUDCA600 mgUDCA600 mg 600 mg 600 mgリバビリンリバビリン400 mg 400 mgIFNα-2b6 万単位SNMC60 mLPeg-IFNα-2b80μgIFNα6 万単位3 万単位ALTHCV RNA59歳女性A2/F2輸血(-)HCVセロタイプ1型患者背景UDCA:ウルソデオキシコール酸SNMC:強力ネオミノファーゲンシーR(+) HCV RNA陽性,(-) HCV RNA陰性X年3月X年6月(X+2)年4月(X+3)年6月(X+6)年12月(X+12)年2月