ブックタイトルガイドライン準拠 C型肝炎治療Q&A

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概要

ガイドライン準拠 C型肝炎治療Q&A

Q3.HCV感染直後の症状と自然経過 55A C型肝炎ウイルス(HCV)感染直後の症状? C 型肝炎ウイルス(HCV)の潜伏期間は2週間から6カ月で,初期感染後,70~80%では無症状である.急性症状としては,発熱,疲労感,食欲不振,吐き気,嘔吐,腹痛,黄疸などがある.劇症化はごくまれである.? HCV 感染の1~2週後には HCV RNA が陽性となり,7~8週後には血清 ALT 値が上昇する.診断はHCV RNA 定量検査によって行われる.自然寛解する症例では,ALT 値は正常化し,HCV RNA は陰性化するが,HCV 抗体陽性は通常持続する.? HCV 感染が成立すると,急性の経過で治癒するものは20~30%であり,70~80%はHCV 感染が持続し,慢性肝炎へと移行する.慢性化した場合,ウイルスの自然排除はまれであり(年率0.2%),HCV 感染による炎症の持続により肝線維化が惹起され,20~30年の経過で肝硬変や肝細胞癌が発生する(p.52,第Ⅱ部 図2 - 2 参照).? 肝線維化の進展度(F0~F4)からみた肝癌の発生率は,平均して,F0~F1で年率0. 5%,F2で年率1. 5%,F3で年率5%,F4で年率7~8%程度である(p.81,第Ⅲ部 表5 -1 参照).B C型肝炎の治療効果を規定する宿主因子:IL28B 遺伝子の一塩基多型(SNP)? 2009年に C 型肝炎の治療効果を規定する宿主因子として,IL28B(interleukin 28B,インターロイキン28B)遺伝子の一塩基多型single nucleotide polymorphism(SNP)が報告された1). 日本人におけるペグインターフェロンpeg-interferon(Peg-IFN)+リバビリンribavirin(RBV)併用療法での治療反応群(著効群+再燃群)326 例と治療無効群128 例のIL 28B 遺伝子のSNP の1 つであるrs 8099917 について比較検討した結果,治療反応群のAnswerC 型肝炎ウイルス(HCV)の感染潜伏期を過ぎると,発熱,吐き気などの急性症状が感染者の20 ?30%でみられるが,残りの感染者では症状はみられない.HCV 感染者の70 ?80%で感染が持続し,慢性肝炎へ移行する.HCV 自然排除には宿主のIL28B 遺伝子の一塩基多型(SNP)が関与していると考えられる.C 型肝炎ウイルス(HCV)感染直後にはどのような症状がありますか?また,感染後の自然経過について教えてください3Question HCV感染直後の症状と自然経過Ⅱ