ブックタイトルガイドライン準拠 C型肝炎治療Q&A

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概要

ガイドライン準拠 C型肝炎治療Q&A

142 Ⅴ.C 型肝炎における治療法選択の基準に対しても耐性である.? このような薬剤耐性ウイルスの多くは時間の経過とともに検出されなくなっていくが,完全に排除されるのか,微量でも残っているのかは明らかではない.C 治療不成功例における再治療法選択の考え方? NS3/NS4A プロテアーゼ阻害薬+Peg-IFN+リバビリン併用療法で不成功になった症例を再治療するうえで最も重要なポイントは,交叉耐性を念頭に置き,同じクラスの薬剤,すなわちNS3/NS4A プロテアーゼ阻害薬を含まない治療法を選択することである(表6 - 2).? NS3/NS4A プロテアーゼ阻害薬を含まない治療法は,ゲノタイプ1型であればソホスブビル/レジパスビル配合剤(ハーボニーR)による治療があり,ゲノタイプ2 型であればソホスブビルとリバビリンの併用療法が推奨される(図6 - 1).ソホスブビル/レジパスビル配合剤の国内第Ⅲ相臨床試験では,NS3/NS4A プロテアーゼ阻害薬とPeg-IFN とリバビリンの併用で治療不成功になった症例に対するソホスブビル/レジパスビル配合剤による再治療のSVR 率は100%であった1).? シメプレビル+Peg-IFN+リバビリン併用療法あるいはバニプレビル+Peg-IFN+リバビリン併用療法が治療不成功となり,惹起された薬剤耐性変異(D168)が,ダクラタスビル/アスナプレビル併用療法の治療効果に及ぼす影響については,論文レベルでのエビデンスはないが,有効性が低いとする学会報告は複数ある.また,国内・海外の臨床試験で,D168 変異をもつ症例ではダクラタスビル/アスナプレビル併用療法の著効率が低いことが確認されているため,シメプレビル+Peg-IFN+リバビリン併用療法あるいはバニプレビル+Peg-IFN+リバビリン併用療法後のダクラタスビル/アスナプレビル併用療法は推奨されない.オムビタスビル・パリタプレビル・リトナビルの配合剤(ヴィキラックスR)は,NS3/NS4A プロテアーゼ阻害薬を含む治療であるため推奨されない.同様に,シメプレビル+Peg-IFN+リバビリン併用療法後のバニプレビル+Peg-IFN+リバビリン併用療法,バニプレビル+Peg-IFN+リバビリン併用療法後のシメプレビル+Peg-IFN+リバビリン併用療法,テラプレビル+Peg-IFN+リバビリン併用療法後のシメプレビル+表6-2 ゲノム1 型の症例に対するDAAsを含む治療法におけるDAAs クラスの組み合わせDAAsNS3/NS4A Peg-IFN リバビリンプロテアーゼ阻害薬NS5A複製複合体阻害薬NS5B ポリメラーゼ阻害薬テラプレビル─ ─ ○ ○シメプレビル─ ─ ○ ○バニプレビル─ ─ ○ ○アスナプレビルダクラタスビル─ ─ ── レジパスビルソホスブビル─ ─パリタプレビルオムビタスビル─ ─ ─