ブックタイトルガイドライン2015準拠 新生児蘇生法NCPR

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概要

ガイドライン2015準拠 新生児蘇生法NCPR

12Point ●? 人工呼吸の成功・不成功を判断できるようになりましょう私たちの実施する人工呼吸が100%成功する保証はありません.特に出生直後は,人形で練習する時のように1 呼吸目から胸郭が上昇することはまずないでしょう.不成功からのスタートなのです.だからこそバッグ・マスク換気は開始してからが勝負です.何となくバッグを揉み続けるのではなく,加圧するたびに有効な換気が得られているかどうかを確認しながら,手技が不適切ならば少しでも早く修正し,完成形にすることを考えます.バッグ・マスク換気の成功は,「心拍数の改善」と「吸気時に胸郭上昇が確認できること」から判断できます.介助者がいればこの評価を依頼しましょう.両方とも確認できない人工呼吸は不成功の可能性が高いです.不成功のまま同じような手技でクオリティの低いバギングを30 秒間続けるのはもったいないと思いませんか? 例えばバッグ・マスク換気開始から15 秒間は,介助者がその成功を評価してフィードバックしてみてはどうでしょうか.人工呼吸開始!015介助者がいれば15 秒間,① 心拍数の持続聴診② 胸郭上昇の観察による評価を依頼しましょう.Good!Good.But…Not Good「心拍,上昇していますよ!」→人工呼吸は成功しています.もう15 秒人工呼吸を続けましょう.胸の上がり過ぎに気を付けて.「心拍,変わりません. でも胸は上がっています」→人工呼吸はたぶん成功しています.もう15 秒人工呼吸を続けましょう.胸骨圧迫が必要かもしれません. 「心拍,変わりません. 胸も上がっていません!」→人工呼吸は不成功かも. マスク密着,加圧,気道閉塞について手技を修正しましょう.新生児蘇生のトレーニングは1年に1回以上は行うことが提案されています.これまでのガイドラインにはこのようなトレーニングの頻度に関する具体的な記載はありませんでしたが,少なくとも2010 年までのNCPR の更新間隔であった5 年間というのは,この間一度も学習の機会がなければ,知識や技術を維持することはおよそ不可能であることは誰もが感じていたことでしょう.NCPRは受講したらそれで終わりではなく,あくまでも継続的学習のきっかけにすぎません.どれだけのレベルの行動や技術を維持することが要求されるのかは,環境によっても異なるでしょう.「今,うちの施設で赤ちゃんが重症仮死で生まれたら,ちゃんと助けられるかな? もしも難しいならば何が足りなくて,どんな訓練をすればそれを維持できるかな?」と,現場の皆さんで話し合える機会があればいいですね.2015 年ガイドラインココに注目! ?