ブックタイトルベッドサイドの小児神経・発達の診かた 改訂4版

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概要

ベッドサイドの小児神経・発達の診かた 改訂4版

284DSM-u ではASD を用いて再定義された.自閉スペクトラム症の診断基準としてローナ・ウィングらは「社会性の障害」,「言語コミュニケーションの障害」,「想像力の障害」を「三つ組の障害」として挙げている.DSM-u においては,A:社会的コミュニケーションおよび相互関係における持続的障害(社会的・情緒的な相互関係の障害,他者との交流に用いられる非言語的コミュニケーション年齢相応の対人関係性の発達や維持の障害),B:限定された反復する様式の行動,興味,活動(以下のu 点以上:常同的で反復的な運動動作や物体の使用,あるいは話し方,同一性へのこだわり,日常動作への融通の効かない執着,言語・非言語上の儀式的な行動パターン,集中度・焦点づけが異常に強くて限定的であり,固定された興味がある.感覚入力に対する敏感性あるいは鈍感性,あるいは特定の感覚に関する異常な関心)があることを特徴とする.診断は,A,B を満たすことによってなされる.すなわち,こだわり,感覚過敏がない場合にはASD としないことになった.o 歳頃から症状が明らかになることが多く,症状の完成するu 歳までに受診することが多い.1 幼児期のASD の診かた幼児期,あるいは小学校低学年では,多動,衝動性が前面に立ち,注意欠如・多動症と鑑別が付きにくい訴えで受診することが多くある.実際両疾患が重複している例もある.したがって,訴えだけに留意せず,ASD の特性を問診,診察で抽出することが正しい診断につながる.o.主訴乳児期には養育者が感じる違和感,感覚過敏,睡眠障害,偏食など,非特異的な症状のみであることが多く,診断に至る機会は少ない.幼児期早期には言葉の遅れや使い方の異常,保育園で集団行動ができない,大泣きなどのパニック行動が生じやすい,などが主訴になる.場面緘黙の背景にASD があることがある.体幹部の筋緊張の低さから運動発達遅滞を主訴として受診する例もあることに留意する.また,多動,衝動性が全面にでて受診する例も多い.u.問診のしかた保育園で気づかれていても,家庭では問題に気づかれていない例も多く,保育園から勧められて受診する場合には,保育園からの情報を文書でもらう必要がある.逆に,知的低下のない例では権威的な状況には従うが家庭では従わないなど,環境で行動が異なることもあるので,それぞれの項目について集団と家庭での両方の行動特性を知ることが重要である.日常生活から,行動特性を十分に問診することで特徴的な行動を把握でき,診断に寄与する.①対人相互交流・社会性の障害・視線認識:見つめられるとしっかりと見返しますか.視線が一瞬だけ合ってすぐそれて異