ブックタイトルベッドサイドの小児神経・発達の診かた 改訂4版

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概要

ベッドサイドの小児神経・発達の診かた 改訂4版

1182 幼児の反射の診かた幼児期には,原始反射は消失し,姿勢反射は確立している時期である.運動発達の遅れが高度であったり,筋緊張が強い場合はMoro 反射,非対称性緊張性頸反射やパラシュート反射など,一部の原始反射や姿勢反射を検査し,問題があればより詳細に検査を行う.診察で泣いたり抵抗したりすることも多くなる年齢であり,安心するように話しかけてから,あるいはおもちゃを持たせながら検査を行う.必要により,母親に抱っこしてもらって診察する.3 ハンマーの使用法深部腱反射をうまく誘発するには,ハンマーにより,適切な強さで,急激に該当部位を叩くことが必要である.ハンマーは母指と示指で軽く持ち,手首のスナップを効かせて,弧を描くようにしてハンマーの重みで軽く落ちる感じで打つ.泣くほど強く打つ必要はない.しっかり握って叩くと,速度が加わらない.できれば,一度ポーンと叩くのみで誘発するのがいいが,小児では適切な面積が小さいので,軽く数回打つと検出しやすくなる.B 原始反射原始反射は,脊髄,脳幹に反射中枢を持つ.胎生u~y か月から発達し,中脳,大脳皮質などの高次神経機構の発達に従って,u~u か月から消失し始める.この原始反射は,正常な発達に欠かせない重要なもので,原始反射に対する反応により,寝返り,お座り,立つなどの準備がなされる.存在するべき時期に誘発しえない,左右差がある,消失すべき時期に存在する場合に病的意味がある.1 脊髄反射脊髄内に反射中枢を持つものを脊髄反射という.多くはu か月以内に消失するが,その後も残存するものもある.脳機能障害,脊髄障害,末梢神経障害では減弱,消失する.o.自動歩行automatic walking(図y-o)腋下を支えて,足底を床に着け躯幹を前傾させると,下肢を交互に屈曲し歩行する.同様に支えて検診台の端に軽く足背を触れさせると,触れたほうの下肢を屈曲して台の上にのせるのが足踏み反射stepping reflex(図y-u)であり,同様の意義を有する.・検出可能年齢:主に新生児期にみられ,2 か月までには消失する.