ブックタイトル専門医がリードする小児感染症ケースカンファレンス

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概要

専門医がリードする小児感染症ケースカンファレンス

17. 発疹が出ている 97 全身性のウイルス性発疹症の臨床経過には,ウイルス血症の頂期に発熱があるかないか,発疹期(宿主の免疫応答が関与)に発熱があるかないかによって,いくつかのパターンがある.ウイルス血症頂期と発疹期の両方に発熱がみられるのが麻疹.ウイルス血症頂期には発熱がなく発疹期に発熱するのが風疹,水痘.ウイルス血症頂期に発熱し発疹期には解熱するのが突発性発疹,伝染性紅斑(図3). 今回の症例は麻疹である.麻疹は潜伏期が10 日程度あり,母からの移行抗体の残存,予防的に投与されたγグロブリンの影響,高度弱毒生麻疹ワクチンの接種の既往(secondary vaccine failure)などによって,その病状が軽症化することが知られている.これらを修飾麻疹と呼ぶ.一般に修飾麻疹はカタル症状が軽く,発熱期間も短く図3 ウイルス性発疹症の臨床経過図(文献2 より)麻 疹140393837病 日2 3 4 5 6 7 8 9 10体温(℃)発 疹結膜炎はなかぜせ きコプリック斑風 疹140393837病 日2 3 4 5 6 7 8 9 10体温(℃)発 疹倦怠感結膜炎はなかぜリンパ節成人140393837病 日2 3 4 5 6 7 8 9 1011121314体温(℃)発 疹水疱 結痂水 痘140393837病 日2 3 4 5 6 7 8 9 10体温(℃)発 疹被刺激性突発性発疹症