ブックタイトル国立がん研究センターの乳癌手術
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国立がん研究センターの乳癌手術
第5章 整容性を重視した乳腺の修復,修正法?39● 2006 年の自家組織乳房再建手術,2013 年の人工乳房による乳房再建手術が保険収載され,乳房再建手術が普及しつつある.そのため乳癌手術療法の選択が,「乳房部分切除(+術後照射)」と「乳房切除+再建」の比較によりなされるようになった.そのため,乳房部分切除においても,より整容性が重視されるようになった.● 本項では,乳房部分切除後の,整容性を重視した乳腺の修復法を述べる.まず,基本的な考え方,術前の準備,手術時の注意点を示す.次に特に変形しやすいBD 領域の再建方法(crescent technique)について述べる(図1).● 乳房再建の整容性を考える場合,健側の追加手術(吊り上げ,縮小,豊胸等)も考慮するのが理想であるが,本書の主旨から逸脱しているのでここでは述べない.総 論基本的な考え方● まずどのような形の乳房か,立位もしくは座位での形で考える.分類法はいろいろあるが,分類することが重要なのではない.どのような形の乳房を手術するのか把握することが重要である.大まかに分類し,特徴を下記に述べる(図2). ?平坦型: 腫瘍径が小さくても大きな欠損になりやすい.医療者のイメージより,患者は大きい乳房と認識していることがある. ?半球型:人工乳房での再建でもよい整容性結果が得られやすい. ?下垂型: 乳房全切除再建では再現が難しい.健側の追加手術で対称性を得る方法がある.● 全切除+再建の限界を知る.インプラントによる再建では,下垂が再現できない.また,やや硬い動きのない乳房になる.健側を修正する方法もある.自家組織は,腹部背部に組織が十分ないと不可能である.● 放射線による萎縮も考慮する.脂肪が多い乳房の場合,乳腺受動により血流障害が起きて萎縮しや1第5 章整容性を重視した乳腺の修復,修正法図1 乳腺領域区分図(右房) 乳 房A 上内側B 下内側C 上外側C′上外側の腋窩よりD 下外側E 中央部AEC′CD B