ブックタイトルTEXT形成外科学 改訂3版

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概要

TEXT形成外科学 改訂3版

99Ⅳ.骨移植と軟骨移植(HA)やリン酸三カルシウムtricalcium phosphate(TCP)を主成分とする人工骨が臨床応用されている.自家骨にくらべて採取部位の犠牲がないのが利点であるが,感染に弱い点が問題である.これらの人工骨は骨誘導能をもたないが骨親和性,骨伝導能を有し移植床からの骨芽細胞が人工骨表面に移行して骨形成を行う.人工骨にはブロック,粉末,ペーストなどの形状があり欠損部の状況により選択する.強固な固定性を得たい場合にはブロックがよいが,欠損部の形状に合わせる加工が煩雑である.一方,粉末やペーストは欠損部の形状に合わせやすいが力学的強度には劣る.図1?主な骨・軟骨採取部位A:頭蓋骨―支持力の強い薄い骨が採取可能.頭蓋顎顔面の再建等に利用される.B: 肋骨・肋軟骨―肋骨は薄く長い骨が採取可能.頭蓋骨や顔面の再建等に利用される.肋軟骨は多量の硝子軟骨が採取可能.小耳症や外鼻再建等に利用される.C:耳介軟骨―弾性軟骨が採取可能.外鼻や耳介の再建等に利用される.D:肩甲骨―支持力の強い直線状の骨が採取可能.上顎や下顎の再建等に利用される.E:腸骨―比較的厚く,海綿骨のみの採取も可能.頭蓋顎顔面の再建等に利用される.F:腓骨―直線状の長い骨が採取可能.下顎や四肢の再建等に利用される.A B C骨採取部位D E F 軟骨採取部位図2?採取した骨と軟骨A:腸骨皮質骨(眼窩底骨折に移植)B:腸骨海綿骨(顎裂に移植)C:遊離血管柄付き肩甲骨(肩甲皮弁とともに挙上)D:肋軟骨(小耳症に移植する軟骨フレーム)E:耳甲介軟骨(鼻翼形成に使用)A B C D E