ブックタイトルTEXT形成外科学 改訂3版

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概要

TEXT形成外科学 改訂3版

ⅦKey word重要事項114手術用顕微鏡などを用い,微小血管,神経,リンパ管などの縫合を行う手術をマイクロサージャリーと総称する.微小血管吻合では端端吻合,端側吻合が,神経では端端縫合,端側縫合が行われる.切断された組織の再接着は局所因子,全身的因子,社会的因子を考慮した上で行うべきである.切断組織の保存は,温めず,乾かさず,汚さずを原則とする.血流再開後でも活性酸素による重篤な組織障害が生じたり,血管が閉塞され,再灌流されない領域が出現することがある.再接着後,血行再開に伴う病態の変化が局所のみならず全身にも及ぶことがあるため,術後の全身管理は重要である.切断指の再接着では,母指機能の温存を重視する.血管柄付き遊離組織移植とは組織の動静脈を移植床の動静脈とマイクロサージャリーを用いて吻合する移植法である.皮膚,脂肪,筋膜,筋肉,骨,神経などほとんどの組織を他部位に移植することができる.血管柄付き遊離皮弁移植は単に遊離皮弁とも呼ばれ,骨や腱の露出面にも生着可能で,術後の拘縮をきたしにくく,色調やきめの点でも遊離植皮術より優れている.遊離(筋)皮弁は頭頸部腫瘍や乳癌の切除後の再建,褥瘡・難治性下腿潰瘍の修復などに用いられている.遊離骨移植は頭蓋顎顔面の再建,四肢の開放性骨折,骨腫瘍や難治性骨髄炎などの治療に用いられる.血管柄付き組織移植の術後管理で重要なことは血栓の防止である.12345678910111213微小外科(マイクロサージャリー)マイクロサージャリー,切断組織,組織の保存,虚血再灌流,切断指,遊離皮弁移植,遊離筋肉移植,遊離骨移植,遊離複合移植