ブックタイトルここまでできる足の鏡視下手術オリエンテーション

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概要

ここまでできる足の鏡視下手術オリエンテーション

各 論 | 第2 章 距骨骨軟骨損傷64 653. 逆行性自家海綿骨柱移植術 病変部の軟骨下骨まで中空ドリル(径4.2mm)を用いてドリリングを行う. ガイドワイヤー刺入時と同様に,必ずスリーブを使用する(図15).また,ドリルの尖端が関節内に突出しないように,透視および鏡視下に確認する(図16).図15健常組織を巻き込まないようにスリーブを使用する. Microfracture 法と同様である(p.60 参照).後療法 逆行性自家海綿骨柱移植術は,腸骨から採取した海綿骨柱を,関節外から経距骨的に病変部に移植する術式である8). 前述のようにBone Marrow Stimulation 法は低侵襲で簡便な術式であるが,軟骨下骨病変が大きい,もしくは骨?腫がある症例に対しては治療成績が不良であることが報告されている9, 10).これらの症例においては,軟骨下骨に存在する間葉系幹細胞のviability が乏しいため,十分な組織再生が期待できない. 本術式は,豊富な間葉系幹細胞が存在する腸骨から採取した自家海綿骨柱を病変部に移植することにより,軟骨下骨の再建と間葉系幹細胞の供給を同時に可能とする術式である.・病変の大きさ >150 mm2・骨?腫 あり概 要適 応Step4 病変部の軟骨下骨まで中空ドリルを用いてドリリング Bone Marrow Stimulation 法には,Microfracture法や順行性および逆行性ドリリング法などがあり,いずれの方法も低侵襲で簡便です.鏡視所見で軟骨損傷がない,もしくは軽度な症例に対しては逆行性ドリリング法が適用され,軟骨損傷がある症例に対してはMicrofracture 法および順行性ドリリング法が適用されます.これらの方法は,良好な短期成績が報告されていますが,長期成績は不明であり,今後さらなる臨床研究が必要です. また,順行性ドリリングではドリリング時の摩擦熱による軟骨下骨壊死が懸念されるため,近年ではMicrofracture 法がfirst line treatment として推奨されています.熟練医からの提言前内側および前外側ポータルの作製病変の大きさおよび深度の評価同時に,合併損傷の有無を鏡視下で評価腸骨から海綿骨柱を採取[軟骨損傷例] [軟骨損傷がない,もしくは,軽度(fibrillation, softening)な例]変性軟骨の切除海綿骨柱を骨孔内に導き,病変部に移植距骨を展開しガイドワイヤー刺入部位を同定,刺入ガイドワイヤーを関節内まで進める中空ドリルで骨孔を作製関節内にドリルを突出距骨を展開しガイドワイヤー刺入部位を同定,刺入ガイドワイヤーを病変部の軟骨下骨まで進める中空ドリルで骨孔を作製軟骨下骨までドリルを進めるフローチャート逆行性自家海綿骨柱移植術図16病変部の軟骨下骨まで中空ドリルでドリリングする.a b (a:前後像.b:側面像)