ブックタイトルスポーツエコー診療Golden Standard
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スポーツエコー診療Golden Standard
問 診:受傷起点の有無,競技種目,自覚症状,疼痛部位を確認する.視 診:膝関節の腫脹.触 診:関節の腫脹を触診で確認する.膝全周で丹念に圧痛部がないか確認する.また,関節裂隙に手をあて屈伸運動での疼痛誘発やクリック,轢音を確認する.徒手検査:屈伸運動にてインピンジメントによる可動域制限の有無や轢音,疼痛の出現を確認する.McMurray test やApley test(p.237 参照)にて疼痛の誘発があれば半月板損傷を疑う.単純X 線検査:膝関節の正面像,側面像,膝蓋骨軸写像,軟骨損傷を疑う場合はローゼンバルグ撮影法も追加する.膝の変形性変化や遊離骨軟骨片などを確認する.MRI 検査:軟骨障害の場合は早期では病変部のT1 低信号,T2 高信号化を読影できる,または遊離している場合は軟骨欠損を読影できる(図2).半月板では断裂部や変性部のプロトン強調像やT2 強調像で高信号化を読影できる(図3).診 断 図2 大腿骨軟骨欠損の MRI 像30 歳代女性.膝関節前額面と矢状面のT2 強調画像.大腿骨内顆に軟骨欠損像(↓)を認める. 図3 半月板損傷のMRI 像a:18 歳男性.膝関節矢状面T2 強調像.外側半月板前節の縦断裂(↓)を認める.b:50 歳男性.膝関節前額面T2 強調像.内側半月板中節の水平断裂(↑)を認める.前額面a b矢状面第3 章各部位でみられるスポーツ外傷・障害170