ブックタイトルEPDS活用ガイド
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EPDS活用ガイド
EPDSのポイント● EPDSは産後うつ病のスクリーニングを行うために考案された,10項目からなる自己記入式の質問票です.● あくまでも産後うつ病のスクリーニング・テストであり,診断するものではありません.● 必ずお母さん一人で記入してもらいます.あくまでもお母さん自身の気持ちを反映してもらうことが重要です.● 家族や医療スタッフも同室せずに,お母さんがリラックスでき,プライバシーが守られる環境で記入してもらいます.● EPDS実施の意義については配布前に説明し,同意を得ます.● 質問用紙の配布,書き方の説明,回収,点数の集計は,外来の看護師・助産師などのスタッフが行います.● 事前に用意するものは質問用紙と筆記具です.また,記入時間は,5?10分ほどが目安となります.● 10項目の点数の合計が区分点である9点以上の場合には,「うつ病の可能性が高い」と判断されます.EPDSとは? EPDSは,産後うつ病を早期に診断するため,その検出を向上させるためのスクリーニング・テストとしてJohn Cox教授らによって1987年にイギリスで考案されました.そして,1996年に精神科医の岡野禎治教授が翻訳し日本に紹介しました(→p.2).10項目からなる自己記入式の質問票で,各質問には0点から3点までの4段階の評価で回答します.10項目の点数を合計して評価します. EPDSは,うつ病のメインの症状である「物事に対する興味を失う」ことと「抑うつ状態であると感じる」こと,この2つに関連した質問から構成されています(COLUMN3).特に重要な項目は,「10.自分自身を傷つけるという考えが浮かんできた」で,「自殺企図」が示唆されますので,この項目の点数が高かった場合には注意が必要です.EPDSの実際- 22 - - 23 -第2 章 EPDS のトリセツ