ブックタイトル外用薬の特性に基づいた褥瘡外用療法のキホン
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外用薬の特性に基づいた褥瘡外用療法のキホン
70代前半男性.数ヵ月前の交通事故による頸髄損傷でC5レベルでの対麻痺の状態であった.介護老人保健施設では食事などの管理上の都合から長時間座位をとっていた.頸髄損傷があったが,座位の安定性に関しての注意は払われていなかった.褥瘡発症のため,施設から皮膚科医に週1回の往診を依頼.デブリードマン,ホスミシンR内服投与とゲーベンRクリーム外用を行ったものの,次回訪問時には著明に悪化していた.その後,施設の車で搬送され緊急入院となった.初診時,尾骨部褥瘡があり,創周囲に握雪音を認め,創からゾンデが深く挿入できた.入院時検査所見はWBC 25,200/μL, CRP 18.92mg/dL,ALP 747IU/Lであった.深達度判定のためのCTでは尾骨前面までガス像を認めた.また膿と静脈血から複数の嫌気性菌が検出された.壊死性筋膜炎,敗血症として入院となった.入院後,手術室で2回に分けてデブリードマン,腐骨切除(尾骨),洗浄を行いヨードホルムガーゼ挿入とした.陰圧吸引(VAC)を施行するものの排膿があり,ヨードホルムガーゼに戻した後に再度陰圧吸引した.その後ユーパスタコーワ軟膏外用とし,一時期フィブラストRスプレーを併用した.体位は側臥位にて頭側拳上,左上肢の残存機能を維持するためのリハビリテーションを行っている.現在褥瘡は改善し元の施設へと退院した.尾骨部褥瘡と合併した壊死性軟部組織感染症・骨髄炎の診療症例1第4章臨床カンファレンスで学ぶ!基剤特性を考慮した外用薬の使い方外科的処置の重要性とヨードホルムガーゼの効用・ユーパスタ軟膏の再評価を学ぶ1160