ブックタイトルアトピー性皮膚炎治療のためのステロイド外用薬パーフェクトブック
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アトピー性皮膚炎治療のためのステロイド外用薬パーフェクトブック
第1 章ステロイド外用薬を使いこなすための基礎知識ステロイド外用薬と他外用薬の混合を行っている医師の占める割合は85%に達しており,その理由として「コンプライアンスの向上」がもっとも多く32%,ついで「ステロイド外用薬の副作用を軽減する目的」が26.1%であり,「保湿剤などとの混合による相加・相乗効果の期待」が18.5%と続いている1).これら軟膏やクリームの混合では,外観変化や主薬安定性について数多く報告されているが2-6),皮膚透過性や臨床効果についてはほとんど解明されていない.皮膚外用薬の皮膚透過性は主薬だけでなく,基剤や剤形も大きく影響することから,混合により基剤や剤形が変化すると皮膚透過性や効果に影響を与えることが予想される7, 8).本稿では,ステロイド外用薬の希釈および保湿剤との混合を中心に,これまでに報告されているデータをもとに検証する.ステロイド外用薬の希釈と4 保湿剤との混合についての考え方? ステロイド外用薬は他外用薬と混合されるが,基剤の不一致が多く認められる.? ステロイド外用薬をワセリン等で希釈しても,必ずしも効果や副作用は減弱しない.? ステロイド軟膏と保湿クリームの混合ではステロイド薬の透過性が高まることがある.? ステロイド外用薬は混合により乳化が壊れると効果に影響する.? ステロイド外用薬のうち,ボアラR,ロコイドR,リンデロンRは,混合により主薬含量が低下しやすいので注意する.KEY POINTS30