ブックタイトルアトピー性皮膚炎治療のためのステロイド外用薬パーフェクトブック

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概要

アトピー性皮膚炎治療のためのステロイド外用薬パーフェクトブック

4 ステロイド外用薬の希釈と保湿剤との混合についての考え方基剤の問題皮膚科医が臨床で繁用しているステロイド外用薬と保湿剤やワセリンなど他外用薬との混合は,上位3種類だけで382種類と非常に多い1).これら382種類の組み合わせについて混合の可否を調べた結果,約3割が混合不可であり,その87%が基剤の不一致であった.実際に,「皮膚外用薬を混合して処方した際に問題を経験したか」という質問に対し,経験したと回答した割合は20.2%であり,そのうち約80%が「分離・変質」であり,基剤の不一致が原因と考えられる.ステロイド外用薬で繁用されているアンテベート?軟膏およびマイザー?軟膏について,基剤が不一致である代表的な組み合わせを表1および表2に示す.いずれも基剤が不一致であり,混合不可な組み合わせは油脂性基剤と乳剤性基剤(とくに水中油型:O/W)との組み合わせである.ステロイド外用薬と他の皮膚外用薬との混合の組み合わせについて繁用されている382種類を分類すると,図1に示すように,白色ワセリン(プロペト?を含む)による希釈がもっとも多く,ついでヒルドイド?ソフト軟膏,尿素軟膏,亜鉛華軟膏の順であり,この4種類で全体の3/4を占めた.この4種類と混合するステロイド外用薬のランクについて調べてみると,白色ワセリンと混合する皮膚外用薬混合の可否2週間後4週間後8週間後ウレパール?クリーム× × ×オイラックス?クリーム× × ×ケラチナミンクリーム◯ ◯ ×ゲーベン?クリーム× × ×ザーネ?軟膏× × ×親水軟膏◯ × ×ヒルドイド?ローション× × ×ユベラ?軟膏◯ × ×表1 アンテベート?軟膏との配合の可否31