ブックタイトルクロストークから読み解く周産期メンタルヘルス

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概要

クロストークから読み解く周産期メンタルヘルス

1492 地域で支える産後うつ病事例で読み解く周産期メンタルヘルス<産後編>Ⅲません.皆様方がお持ちの情報を共有して,今後の支援の方向性を話し合いたいと思います.自宅訪問は2 週間に1 回のペースで継続しています.当初は「他人が家に来るのはかえって疲れる」とおっしゃっていましたが,最近はいろいろ相談してもらえるようになりました.パートタイマーで比較的時間に余裕のあった妹さんが,就職して転居する話が出ています.お母様も,持病が悪化したお父様の介護に病院を行き来しなくてはならなくなり,子どもの養育を患者さんがかなり頑張らなくてはならない状況になっています.患者さんはこなしていますが,やはり先行きの不安はあるようです.服薬は抵抗なく続けています.夜1 時から朝7 時までは子どもの世話をご家族に頼んでいましたが,お母様,妹さんもそれぞれ忙しくなっているので,今後はご自身で対応しなくてはならないでしょうね.幸い,お子さんは夜泣きが減って夜はだいぶ寝てくれているということです.市内に産婦人科併設の産後ケアセンターができて,産科退院後に利用している方もいます.産後月数の制限があるのですが,この患者さんの場合はまだぎりぎり条件内ですので,申し込みを検討してみるのはどうでしょうか?産後ケアセンターというのは…?産科,産院を退院した女性が,1 週間ほど休養したり,育児指導を受けたりできる施設です.助産院や産婦人科に併設されているところもありますが,医療機関ではないので,1 泊数万円かかる場合もあります.また,住民票登録のある方しか対象にしていない場合もあるようです.患者さんは,住民票を夫の住まいの住所からまだ変更していません.母子のみ移すのは心理的な葛藤もあるようです.そうなりますと,産後ケアセンターは使えないかもしれません.お父様も入院中で,高額な費用も負担かもしれません.保育所はどうですか?精神障害を有している旨の診断書をつけて申請しては?そうですね.その場合も住民票を本市に移動していただく必要があります.ご両親も70 歳を越えて高齢で,お父様は入院中ですし.今までは,お母様,妹さんが同居しているので,保育所入所申請は難しいと考えていましたが,これからは申請が必要かと思います.よく分かりました.患者さんの育児負担を軽減するために,保育所入所を勧めていくのが現実的な方法ということですね.保保健師訪問看護師助産師産後ケア事業産科退院直後の母子の心身のケアを行うことを目的に,2014年度予算に組み入れられた.2015年1月時点で29市町村で実施され,2015年度は150市町村で実施予定であり,今後全国展開が目指されている5).精神科医保健師社会福祉士小児科医保健師社会福祉士