ブックタイトル動きながら考える!内科救急診療のロジック
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動きながら考える!内科救急診療のロジック
75Minimal review ① 糖尿病性ケトアシドーシス/ 高浸透圧高血糖症候群いつ疑うか● 糖尿病患者が,「調子が悪い」と言っているとき(救急車でもwalk in でも).● 糖尿病患者のショック.● 糖尿病患者の腹痛.概 念 DKA/HHSは,糖尿病患者に生じる致死的な代謝異常である(図Ⅱ- 3). DKAはケトーシス,アシドーシス,高血糖の3つの変化が体内で起こっている. HHSの主座は高血糖による高度な浸透圧上昇であり,ケトーシスやアシドーシスはみられないか,みられても軽度である. ただし,DKAにしろHHSにしろ,病態にすぎず,これらの病態を引き起こしている原疾患は何であるかに目を向けることが大切である.診断基準 表Ⅱ- 2 を目安4 4 に診断する(目安である理由は,臨床の現場では両者の混在した病態やそれぞれの不完全型も多いため).表Ⅱ- 2 DKA とHHS の臨床的特徴*DKAHHS軽 症中等症重 症血糖(mg/dL) >250 >250 >250 >600動脈血pH 7.25?7.307.00?7.24 <7.00 7.30血清HCO3(mEq/L) 15?18 10?14 <10 >18尿中ケトン+ + + ±血清ケトン+ + + ±有効血清浸透圧(mOsm/kg)さまざまさまざまさまざま>320anion gap >10 >12 >12 さまざま精神状態覚醒覚醒/傾眠昏迷/昏睡昏迷/昏睡*両者の混在した病態も多い.有効血清浸透圧≒ 2Na+ (mEq/L)+血糖(mg/dL)/18anion gap =Na+ (mEq/L)-[Cl-(mEq/L)+HCO3-(mEq/L)](文献2))原因・危険因子DKA/HHSの誘因 DKA/HHSとは,あくまで病態を示しているにすぎない.病態をみたときには原因・誘因を考える必要があり,原因・誘因の中で,致死的かつ特に頻度が高い疾患については表Ⅱ-3のような語呂合わせで覚えておくとよい2 ?4).DKA/HHSをみたら,まずこれらの疾患が誘因となっていないか検索を行う. DKA/HHSの誘因が感染症であると疑った場合,特に表Ⅱ- 4の疾患に注意する5).糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)/高浸透圧高血糖症候群(HHS)Minimal review ①高血糖ケトーシスアシドーシスHHSDKA図Ⅱ- 3 DKA / HHSの概念図(文献1)より作成)