ブックタイトル乳癌アプリケーションノート
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乳癌アプリケーションノート
21 clinical staging● UICC─TNM(第7 版,2010 年)を用いる(表Ⅰ - 1).●視触診所見,画像検査(マンモグラフィ,乳房超音波,MRI)を行う 1).●下記の場合はsystemic survey〔胸部X 線,腹部超音波,骨シンチグラフィ(状況によりCT,PET / CT)〕の追加を検討する.・clinical stage Ⅲ以上 2).・腫瘍マーカー(CA 15─3,CEA,ST 439)高値である.・転移に関連する臨床症状(限局性骨痛,腹部症状)がある.・血液検査異常(ALP 高値,肝機能異常など)がある.1) Davis PL, et al:Breast Cancer ResTreat, 37:1─9, 1996.2) Brennan ME, et al:Breast, 21:112─123, 2012.第Ⅰ章 基本的評価1.Staging各種検査における臨床的腫瘤径と病理学的腫瘤径との相関係数は,マンモグラフィ0.46,乳房超音波0.45,MRI 0.98 と報告されている.マンモグラフィでは背景乳房濃度に左右されやすく,乳房超音波では乳管内進展の評価が難しい.骨シンチグラフィ,胸部X 線,胸部・腹部CT,FDG─PET を用いた遠隔転移検索についてのシステマティック・レビューでは,乳癌患者の7.0%で転移を認めた.転移部位は,骨(5.8%),肺(2.6%),肝(1.5%),その他(縦隔,副腎,皮膚,対側腋窩,対側乳房)がある.このことより,systemic survey としては,骨シンチグラフィ,胸部X 線,腹部超音波が挙げられる.Stage ごとの転移の存在する割合は,Stage Ⅰで0.2 %(範囲0 ?5.1 %),Stage Ⅱでは1.2 %(範囲0 ?34.3%),Ⅱ a では0.5%,Ⅱ b では6.3%.Stage Ⅲでは13.9%(範囲8.0 ?34.3%)であり,Stage が上がるほど有意に遠隔転移の割合が上がる.また,炎症性乳癌では30.5 ?48.8%で遠隔転移が存在すると報告されている.以上より,Stage Ⅲ以上では局所検査だけでなく,systemic survey を追加する必要がある.Evidence からの考察