ブックタイトル乳癌アプリケーションノート

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概要

乳癌アプリケーションノート

112第Ⅲ章 Metastatic Breast Cancer2. 治療選択の目安●どの内分泌療法を選択するかのポイント(図Ⅲ- 3)・術後内分泌治療からの期間・閉経の状態(閉経前,閉経後)閉経前:第1 選択薬閉経前:第2 選択薬閉経後:第1 選択薬閉経前閉経後閉経前閉経後ホルモン受容体陽性転移・再発乳癌12 カ月未満12 カ月以上前内分泌療法からの期間閉経後:第2 選択薬図Ⅲ- 3 ホルモン受容体陽性転移・再発乳癌に対する内分泌療法選択の流れ●術後内分泌治療からの期間と内分泌療法抵抗性の判断・術後内分泌治療からの期間については12 カ月以上経過している場合には前回と同じ内分泌治療を選択する.・術後内分泌治療から12 カ月未満であれば,第2 選択薬を選択する.・閉経前ホルモン受容体陽性乳癌で術後にtamoxifen のみの治療の場合には,tamoxifen + LH─RH アナログも選択肢となる 1).●閉経の判断基準・生物学的には閉経は月経の永久的な停止を意味し,閉経状態は12 カ月以上の無月経の確認をするか,黄体ホルモンを投与しても消退出血を認めないことにより判定される.・乳癌の管理における閉経状態とは,卵巣によるエストロゲン合成の顕著かつ永久的な低下を意味し,以下の基準が用いられる 2).・両側卵巣切除した場合には切除の時点を閉経とする.・60 歳以上・ 60 歳未満の場合で化学療法,tamoxifen,toremifen,卵巣抑制がないにもかかわらず12 カ月以上にわたって無月経であり,卵胞刺激ホルモンfollicle stimulating hormone(FSH)とエストラジオールが閉経後の範囲にあること.・ 年齢が60 歳未満でtamoxifen またはtoremifen を使用している場合は,FSH と血漿エストラジオール濃度が閉経後の範囲にあること.・ LH─RH アゴニストまたはアンタゴニストを投与されている女性には閉経状態を断定することはできない.術後化学療法開始時期に閉経前であった女性では,化学療法後に無排卵/無月経となっても卵巣機能が健存であったり,回復する可能性があるため,無月経が閉経状態の確実な指標とはならない.このような治療誘発性無月経の女性で内分泌療法の一部としてアロマターゼ阻害薬の使用を考慮する場合は,閉経後状態を確保するために卵巣切除術やFSH および/またはエストラジオールの連続的な測定が必要である.1) Crump M, et al:Breast CancerRes Treat, 44(3):201─210, 1997.2) NCCN guidelines Version 1. 2014,Invasive Breast Cancer