ブックタイトル外来化学療法室 がん薬物療法カンファレンス

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概要

外来化学療法室 がん薬物療法カンファレンス

2外来化学療法の全体の流れ 近年,分子標的薬をはじめ多くの新規抗がん薬が診療に使用されるようになり,治療の手順や副作用マネジメントはますます複雑になっている.患者一人当たりの診療時間は長くなり,患者数の増加も相まって,以前より説明や同意の機会は増えている.このようにがん薬物療法の専門性が一段と高くなる中,以前のように特定の医師(主治医)が中心となってがん薬物療法を実施することはもはや困難であり,特に外来化学療法では多職種から構成されるチーム医療がうまく機能することが不可欠である.外来化学療法室におけるチーム医療とは,多職種から構成されるスタッフが互いにコミュニケーションを図りながら「質の高いがん薬物療法を外来で適切に実施する」という共通の目的に向かって連携することであり,ただ役割分担を決めて業務を行うことではない.そして,多職種カンファレンスはチーム医療として外来化学療法を実践していく中で最も重要な要素といえる. 通常の外来化学療法では,まず患者は各診療科の診察を受け,その後に外来化学療法室に移動するのが一般的である.外来化学療法室では専任の看護師による問診,血圧測定や体温測定などバイタルサインの測定が行われる.外来化学療法室の問診では副作用や症状,患者や家族の不安や悩み,社会生活上の問題など,時間の限られた外来診察では見いだせなかった問題点が明らかになることがある.専任の薬剤師は,オーダーされた薬物治療の内容を自ら評価した上で抗がん薬の調製を行う.これらのチェックの後,患者はリクライニングチェアあるいはベッドで,1 時間から数時間に及ぶ抗がん薬の点滴投与を受ける(図1 - 1).薬物治療は,あらかじめ院内で定められた手続きによって承認されたレジメンに従って行われる.外来化学療法室では,患者はリクライニングチェアやベッドに備え付けてあるテレビを見たり,食事をしたりすることができる.もし投与中に何か異変があれば,外来化学療法室のスタッフがまず初期対応することになる.そして,点滴投与終了後に患者は帰宅する. 規定の要件を満たせば,外来化学療法室で抗がん薬の点滴投与を行うことで外来化学療法加算を算定できる.しかし,外来化学療法室は単に抗がん薬の点滴室ではなく,チーム医療によって質の高い薬物療法が実施されるとともに患者や家族に心身両面にわたる十分なサポートが行われる場でなければならないことに注意すべきである.また,外来化学療法室のスタッフは医師に限らず,看護師や薬剤師も含めて全員ががん薬物療法のプロフェッショナルとしての自覚をもたなければならない.11 外来化学療法とチーム医療の実践