ブックタイトル外来化学療法室 がん薬物療法カンファレンス

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概要

外来化学療法室 がん薬物療法カンファレンス

31 外来化学療法とチーム医療の実践外来化学療法室の多職種カンファレンス 外来化学療法室における多職種カンファレンスは,専任の医師,看護師,薬剤師が主な参加メンバーとなり,チーム医療として外来化学療法を実践していく上で最も重要な基盤となる.治療前の最新情報が得られるという理由から,カンファレンスを行うのは治療当日の朝が望ましい.カンファレンスの機能は施設の状況によって多少異なるが,その重要な部分は共通するはずである.カンファレンスの進め方 多職種カンファレンスでは,まず外来化学療法室の利用が初めてである患者について,その診断から現在までに至る経過,薬物療法の方針,以前に入院で薬物治療が行われていればその経過や副作用の状況,それらに対する患者と家族の理解の程度や心理状態,また社会的・経済的な背景について,事前に行ったオリエンテーションの情報に基づいてプレゼンが行われる.そして,当日の治療内容や承認レジメンとの整合性を含めて外来化学療法室のスタッフ全員がこれらの情報を共有し,よく理解する.外来化学療法室の利用が2 回目以降となる患者についても,前回の外来化学療法とその後の経過や副作用,当日の治療内容,承認レジメンとの整合性について,事前に電子カルテから収集した情報に基づいてプレゼンが行われ,それを全員で共有する.これらの過程で疑問点や問題点が明らかになれば,カンファレンスの中で解決するか,少なくともその治療が開始されるまでに解決する.重要な事項については,外来化学療法室の専任医師が各診療科の外来担当医と院内電話などで意見交換するなどして解決し,その結果をスタッフにフィードバックする.カンファレンスの準備 外来化学療法室における多職種カンファレンスはただ形式的に行えばよいものではなく,2ab図1-1 外来化学療法室の例(名古屋大学医学部附属病院)