ブックタイトルがん疼痛の処方・さじ加減の極意

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概要

がん疼痛の処方・さじ加減の極意

1 急速に悪化する脊髄圧迫症候群の疼痛痛みがとれないとき症 例 | 45歳男性 肺がん 骨転移? 背部痛の悪化により救急搬送肺がんⅣ期で化学療法を受けていた.Performance status(PS)は2,縦隔に10cmの全摘出できない原発巣があるほか,肺内に複数の少数の肺内転移,第一腰椎に骨破壊を伴う骨転移があった.外来にてアセトアミノフェン2.4g 分4,オキシコンチンR(オキシコドン徐放性製剤)20mg/日,疼痛時オプソR(モルヒネ速放性製剤)5mgを使用しておおむね鎮痛はできていた(NRSは安静時痛0 ~ 2/10,体動時痛2 ~4/10,1日0 ~ 1回のオプソRを使用).しかし,数日前から激しい腰痛と右下肢への疼痛があり,自宅でオプソRを10 ~ 15包/日内服しても1,2時間ごとに痛くなるという状態となったため救急搬送された.理学所見で右下肢L1/2領域の知覚亢進(アロディニア),軽度の運動麻痺があった.CT写真にて以前から指摘されていた後腹膜の腫変が増大し,骨破壊を伴いながら脊柱管に浸潤していることが明らかとなった.意識は清明,安静時でも背中を伸ばすと痛いため,ベッドにもたれかかるようにしていればかろうじて痛みに耐えられる状態であった.NRSは安静時疼痛が4 ~ 7,体動時痛は7 ~ 10であった.下肢麻痺の予防と鎮痛のために,緊急放射線照射が計画されたが,患者は痛みのために横になれない状態であった.来院時1日目7日目2