ブックタイトルがん疼痛の処方・さじ加減の極意

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概要

がん疼痛の処方・さじ加減の極意

? 外来通院へ2回目以降の照射は問題なく実施することができ,徐々に体動時にも痛みがなくなってきた.夜間はベッドを倒して眠れるようになっており,1日に使用するレスキュー回数は1 ~ 2回であった.結局ベースアップの指示はあったものの,ベースは上げずに対応できた.眠気は軽度あるが気にならない程度.下肢麻痺は回復した.持続皮下注射のラインが生活の妨げになるということで経口投与に変更することとなった.照射が進むと通常は徐々に鎮痛が得られる.アセトアミノフェンは3.2 ~ 4g内服で継続してもよいと思われるが比較的痛みが治まっていることと,オピオイドが高用量の場合には明確な効果を認めないことも多いため外来で使用していた通りの投与量とした.今後痛みが順調に軽減すれば中止してもよい.NSAIDsは切れのよいロキソニンに置き換えた.今後痛みが順調に軽減すればモービックRなどの鎮痛効果は比較的弱いが安全性の高い薬剤に置き換えることもよい.ステロイドは運動機能の回復も見られるため2mgに減量し,照射終了前後で徐々に中止する.オピオイドは,現状で外来の時のベースオピオイド(オキシコンチン20mg=モルヒネ経口30mg相当)の3倍となっており,照射に伴って必要なオピオイド量が変動する可能性があるためもう少し皮下注射のままの方が医学的には調節はしやすい.しかし,患者の移動に不便であるとのこともあるので,やや少なめの80mgで経口に切り替えることとした.また次週の様子を見て投与量の調節は必要である.どこかで,「痛みは軽くなったけどしびれがある」という状態になることがある.その場合はリリカRを追加する.照射して痛みが軽減したら,NSAIDs→オピオイドの減量の順.に調節する来院時1日目7日目さじ加減の極意8