ブックタイトル免疫チェックポイント阻害薬の治療・副作用管理

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概要

免疫チェックポイント阻害薬の治療・副作用管理

110第Ⅲ章 免疫チェックポイント阻害薬の適応と治療2 … 非小細胞肺がん 〔薬剤の評価:抗PD-1/PD-L1抗体◎,抗CTLA-4抗体○〕1)抗PD-1/PD-L1抗体● Nivolumab①非小細胞肺がんにおける承認状況(2016年8月時点)日本,米国,欧州で承認されている(表Ⅱ-2-1,p.77参照).【日本での承認事項】(2016年8月時点,添付文書参照)・効能または効果:切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌・用法および用量:通常,成人にはニボルマブ(遺伝子組換え)として,1回3 mg/kg(体重)を2週間間隔で点滴静注する.・投与時の注意1 時間以上かけて点滴静注,インラインフィルター使用.日局生理食塩液もしくは5%ブドウ糖液注射液に希釈し,総液量60 mL以上目安.最終濃度0. 35 mg/mL以上.②早期開発試験2012 年のASCO において,海外第Ⅰ相反復投与試験(CheckMate-003,NCT00730639)の結果が発表された 5).非小細胞肺がん122 例にnivolumabを最長96週間まで投与したところ,評価可能な76例中ORR 18%と抗腫瘍効果が示された.この試験の長期観察結果ではOS 中央値9. 9 ヵ月,1 年,2年,3年生存率が42%,24%,18%で,奏効例では極めて長い奏効期間が報告され,病勢進行以外の理由でnivolumabを中止した症例でも,奏効が持続している例も認められた 6).③第Ⅱ/Ⅲ相試験2 レジメン以上の治療歴を有する扁平上皮がん117 例を対象として第Ⅱ相試験(CheakMate-063,NCT01721759) 7),既治療例を対象にdocetaxel との比較第Ⅲ相試験が扁平上皮がん,非扁平上皮がんと組織別に行われた(表III-2-2).Nivolumab は3 mg/kgで2週に1回投与された.扁平上皮がんを対象としたCheckMate-017 試験(NCT01642004)においてはOS,PFS 共にnivolumab群で有意に延長を認めた 8()図Ⅲ-2-1).OS,PFSはPD-L1発現の有無にかかわらずnivolumab群で良好であり(図Ⅲ -2-2),二次治療においてはdocetaxelより先にnivolumabを投与することが今後の標準治療と考