ブックタイトル免疫チェックポイント阻害薬の治療・副作用管理

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概要

免疫チェックポイント阻害薬の治療・副作用管理

116第Ⅲ章 免疫チェックポイント阻害薬の適応と治療● Atezolizumab(MPDL3280A)①早期開発試験抗PD-L1 改変ヒト化IgG1 モノクローナル抗体であるatezolizumab(MPDL3280A)に関して,用量漸増第Ⅰ相試験(NCT01375842)が277 例の既治療固形がん患者を対象に行われた.53 例の非小細胞肺がんでORR は23%,喫煙者では42%,非喫煙者10%であった.この研究ではバイオマーカー解析も行われ,腫瘍組織より浸潤免疫細胞のPD-L1発現が効果に関連あると報告された 20).②第Ⅱ/Ⅲ相試験Docetaxel とatezolizumab を比較した第Ⅱ相試験(POPLAR 試験,NCT01903993)が行われた 21()図Ⅲ-2-2).Atezolizumabは1,200 mgが3週毎に投与され,atezolizumab投与群でOSの有意な延長を認めたが,PFSは有意差がなかった.この試験ではSP142抗体(Ventana)を用いてTC(腫瘍組織)とIC(浸潤免疫細胞)それぞれにPD-L1の発現評価が行われ,発現程度によりそれぞれ0?3 にスコアリングして(TC3 ? 50%,TC2 ? 5% and <50%,TC1 ? 1% and <5%,TC0 <1%,IC3 ? 10%,IC2 ? 5% and <10%,IC1? 1% and <5%,IC0 <1%),最終的に4つのサブグループ(TC3 or IC3, TC2/3 or IC 2/3, TC 1/2/3 or IC 1/2/3, TC0 or IC0)に分けて,ORR,OS,PFS が評価された.TC もしくはIC いずれかで発現頻度が高ければ,atezolizumab 群で有意にOS の延長を認めた.TC3(50%以上) or IC3(10%以上)はOS,PFS とも良好な傾向であったが,TC0 かつIC0 はdocetaxel と同様であった.③進行中の試験プラチナ併用化学療法後のatezolizumab とdocetaxel との比較第Ⅲ相試験(OAK 試験,NCT02008227)においてatezolizumab 群で主要評価項目の1 つであるOSを有意に延長したとの速報が発表された(2016年8月).また,一次治療での化学療法との比較試験(IMpower110,NCT02409342;IMpower111,NCT02409355)や単剤の試験(BIRCH,NCT02031458)が行われている. その他, 化学療法やbevacizumab との併用(IMpower130,NCT02367781;IMpower131, NCT02367794;IMpower132, NCT02657434;IMpower150,NCT02366143), 術後のアジュバント治験(IMpower010,