ブックタイトル免疫チェックポイント阻害薬の治療・副作用管理
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免疫チェックポイント阻害薬の治療・副作用管理
164近年の免疫チェックポイント阻害薬の登場は,がん治療に画期的な変化をもたらした.その一方,従来の抗がん薬や免疫療法では見られなかった新しい副作用への対応が求められることとなり,がん治療医にとって違った意味での新たな試練となっている.本項では,免疫チェックポイント阻害薬の副作用について概説するとともに,その管理方法の基本について述べる.1. 免疫チェックポイント阻害薬の副作用管理における基本免疫チェックポイント阻害薬を患者に使用するがん治療医は,この薬剤が劇的な治療効果をもたらすとともに,患者に死をもたらすことがある副作用を伴う“両刃の剣”であることを十分認識する必要がある.また,治療に伴って起こってくる副作用に迅速に対応することによって副作用を軽減できるという点を十分に認識して,それに対応するシステムを構築することが求められている.免疫チェックポイント阻害薬の患者への使用を始める前に,以下に述べる条件が満たされていることを確認することが,治療による副作用で患者を失わないために重要である.1 … 患者治療チームというコンセプト患者治療チームとは,主治医だけではなく,患者のケアにかかわる看護師などの医療スタッフ,さらに患者やその家族も含めたチームを意味する.従来の化学療法と違って,免疫チェックポイント阻害薬の副作用は予期もしない時に突然起こってくることがある.その時にすぐに連絡を取り合い,迅速な対応をとれるチームワークの構築が行われていることが,副作用を悪化させないために最も重要になる.さらに免疫チェックポイント阻害薬の副作用管理においては,呼吸器専門副作用管理において1 おさえておくべきポイント