ブックタイトル妊娠期がん診療ガイドブック

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概要

妊娠期がん診療ガイドブック

viii本書を利用するにあたって本書は腫瘍内科医,外科医,産婦人科医,母性内科医らで構成された編集委員が内容の確認および用語の統一などを担当した.本書は,現時点で報告されている妊娠期がんの診療を示すものであるが,個々の患者においては,がん種や妊娠週数,病期,基礎疾患の違いなど多様性が存在することから,診療にあたる医師が患者とともに治療方針を決定すべきであり,本書に合致することを求めるものではない.また,本書の内容は裁判などに引用される性質のものでもない.本書作成にあたり,編集委員内にて以下の用語および定義の統一を行った.?「妊娠初期」「妊娠中期」「妊娠後期」の定義について妊娠中の薬物投与は「妊娠初期を避ける」ことが前提である.したがって,本書では「妊娠初期/中期/後期」の定義について全体的な統一を行った.本書では「妊娠初期」を『産婦人科診療ガイドライン-産科編2017』(日本産科婦人科学会/日本産婦人科医会編集・監修)に従い「妊娠12週未満」と定義した.一方,「妊娠後期」は『産科婦人科用語集・用語解説集 改訂第3版』(日本産科婦人科学会編)に従い「妊娠28 週0 日以降」とし,その間にあたる「妊娠12 週1 日?27 週6日」までを「妊娠中期」と定義した.あえて,産科婦人科用語集・用語解説集の「妊娠初期:13週6日以前」を用いなかった理由は,器官形成期を過ぎた妊娠12週以降の薬物投与は胎児の催奇形性には大きな影響を与えないと考えられることから,必要に応じて母体へのがん治療を開始できるためである.よって,がん治療を控えるべき期間としては「妊娠初期(妊娠12 週未満)」とし,妊娠12 週1 日目からは必要に応じてがん治療を開始できるものとした.?「trimester/三半期」の定義について海外で用いられる「trimester/三半期」には,明確な妊娠週数の定義がなく,1st trimester(第1 三半期)は,おおよそ妊娠12?13週と曖昧にされている.本書でたびたび引用されているtrimesterの表記も,上記に従うものと判断していただきたい.? 薬剤の評価について本書内で用いた妊娠中および授乳中の薬物使用に関する安全性は,FDA 分類(FDA PregnancyCategory)が2015年6 月に廃止されたのを受け,国立成育医療研究センター妊娠と薬情報センターの評価に従った.妊娠期がん診療ガイドブック編集委員一同