ブックタイトルわかる！つかえる！なおせる！消化管症候への漢方薬

概要

わかる！つかえる！なおせる！消化管症候への漢方薬

31茯苓飲患者プロフィール?主訴：胸やけ，悪心．?29 歳女性．?身長160 cm．体重67 kg．血圧133/93 mmHg．体温35.9℃．やや肥満．咽頭発赤軽度．肺野清．心音正常．心雑音なし．腹部軽度膨満軟．心窩部痛軽度あり．肝脾触知せず．四肢浮腫なし．活気なし．?昔から，胃弱で胸やけを起こしやすい体質であった．?4 週間前，自身の転勤に伴い会社で送別会が行われた．もともと胃を壊しやすい体質であったため，飲み会の席でもビールや料理はあまりたくさん取りすぎないように気を使っていたが，自身の送別会ということもあり，かなり食べすぎてしまい，その後から食後に胸がつまったような感じがして吐き気をもよおすようになってしまった．?すぐ治ると思い，しばらく様子をみていたが症状は改善されず，食後に同様の症状がたびたび出現することが続いた．少し食べすぎたときには胃痛も出現した．?1 週間前にひどい胸やけがあり，口の中に酸っぱい液が広がるような症状が出たので，心配になり近医を受診．慢性胃炎を指摘され，制酸薬と胃粘膜保護薬が処方された．あまり改善がみられなかったため，かねてから興味のあった漢方治療を希望して来院した．西洋薬（対症療法） 疾病・症候茯苓飲構成生薬制酸薬胸やけ蒼朮，茯苓，陳皮消化管運動改善薬上腹部膨満蒼朮，陳皮，枳実利尿薬胃内停水，尿不利蒼朮，生姜，茯苓制吐薬嘔吐，吐き気生姜，陳皮，枳実健胃薬胃腸虚弱人参，蒼朮，茯苓この患者さんに処方されうる西洋薬の集合として漢方薬をイメージしてみる